秋葉ダムと佐久間ダム

2013年2月、2016年3月と二度ほど佐久間ダムに訪れているが、このときは経由地でしかなく、じっくりと見物することはなかった。このあたりは、商用電源の周波数(50Hz及び60Hz)の境目で、電源設備に関連するインフラが存在し、いわば電気の街といったところか。今回は佐久間ダムとその周辺をメインに、ドライブがてらひとっ走りすることになった。

午前3時起き、3時半出発という、普段のドライブパターンを踏襲。東名高速における、お盆の下りのピークは過ぎているので、この時間は渋滞は無かった。それでも時間節約のために、足柄SAまで一気に走っておく。新東名浜松浜北ICから天竜川沿いにあるR152を北上し続け、だいたい40分ほど走ると最初の目的地、秋葉ダムに到着する。アキバではなく、アキハとのこと。

秋葉ダムとEK9シビックR

到着した時間が7時を回ったころなので、誰もいなかった。蝉時雨に、たくさんのトンボが飛び回っている自然豊かな環境。

秋葉第二発電所変電設備

秋葉第二発電所変電設備を見る。送電される電圧が高いことから、がいしも全て長い。仕事で扱っているがいしは50cm程度なので、ここまで長いとメンテナンスも大変そうだ。最速清掃レースや研磨品評会なんてやったら、腕や腰の痛みは確実だろう。

秋葉第一/第三発電所取水口

秋葉第一発電所と秋葉第三発電所の取水口。藻や流木、大小さまざまなゴミが網場(あば)に引っかかっている。藻や流木からは草まで生い茂っている。他のサイトで掲載されている取水口の写真を見ると、草が生い茂っている様子は見られないことから、上流で土砂崩れがあって、そこから流されてきたとか?

秋葉第一発電所

秋葉ダムにある発電所は、秋葉第二発電所と秋葉第三発電所だ。秋葉第一発電所は天竜川の下流側に設置されており、R152沿いから望める。上で掲載した、秋葉第一発電所と秋葉第三発電所の取水口から導水されている。一連の施設を見物したあと、再びR152の北上を再開、佐久間ダムを目指す。

佐久間発電所

JR飯田線の佐久間駅を過ぎると、送電線と鉄塔がひしめくようになる。こちらは佐久間発電所で、もう少し上流にある佐久間ダムから取水して発電を行い、首都圏と中京圏へ電力を供給している。ここから伸びる送電線を辿っていくと、東京都町田市の西東京変電所に接続しているそうだ。また、奥只見発電所と田子倉発電所にも繋がっていて、電力需要に対処できるようになっている。中部地方と東北地方が送電線で接続され、首都圏を支えている一片を見た。私が今、使っている電力の一部も、ここから供給されていることになる。

佐久間周波数変換所

佐久間発電所から少し下ると、佐久間周波数変換所がある。日本は複数の商用電源周波数が混在する数少ない国で、東日本が50Hz、西日本が60Hzとなっている。周波数が混在するようになった歴史的背景は省略するが、今更周波数を統一できず、かといって周波数が異なると、東日本と西日本で相互に電力の融通ができない。そんな状況を解決するために建設されたのが、この佐久間周波数変換所だ。写真奥の最も高い位置にある送電線が60Hz系、手前の低い位置の送電線が50Hz系となっている。

展望台は閉鎖か

佐久間ダム手前のトンネル内には、佐久間ダムを一望できる小さな展望台があった。以前は入れたが、今は閉鎖されて立ち入りができなくなっていた。

佐久間ダム

最終目的地、佐久間ダムに到着。着工から竣工まで、わずか3年という高速建設だ。戦後復興の象徴となり、大型土木構造物の近代的機械化工法を確立した。一方で、ダム湖による水没で移転を余儀なくされた住人や、多数の殉職者がいるのも事実だ。高所作業や頭上に危険がある現場でのヘルメット装着は必須だが、佐久間ダム建築当時はまだまだ安全意識がなく、ヘルメットを被らなかったことで、死亡事故が増加した。この犠牲、経験、対策は現在でも活かされ続けている。

佐久間発電所取水口

佐久間湖の水位は、この取水塔を見て判断する。夏場の現在は、取水口のスクリーンは上段の2部しか露出していないが、冬場はもっと露出していたはず。このことから、今現在は佐久間ダム建設で水没した旧飯田線のトンネルや橋脚は水没していると思われる。

完成した佐久間発電所の取水口

佐久間電力館にて公開されている、佐久間ダム建設中の写真資料の一部。取水口のスクリーンが、合計5部存在することを知る。上段の2部しか露出していない夏場と、冬場の低水位の差がよく分かる。

蒸し暑い中、佐久間ダム周辺を歩き回っていた。佐久間電力館で身体を冷やした後、早くも自宅に向けて帰宅を開始する。お盆の渋滞の心配が無ければ、もう少し見学できたのだが。未見学の部分があり、また場所柄『まむし注意』『スズメバチに注意』という警告文が目に入るので、再訪問は冬場が良さそうだ。

県道288号 大嵐佐久間線のゲート

帰る前に、県道288号大嵐佐久間線のゲートに立ち寄る。ここから先は廃道区間であり、通行止めとなっている。遠目に見た感じでは、緑が力強くなっていること以外、以前と変わらない。この先のガレ場が再び変化していることを期待しつつEK9シビックRを転回させ、浜松浜北ICに向かって走り始めた。

総走行距離は570km、総合燃費は16.2km/L。エアコンがフル稼働でも、スピードを一定に保ち、長距離長時間の走行が好影響となった。新東名高速特有の線形の良さに助けられた結果だ。