大魔法を思わせる落雷の轟音が幾度となく鳴り響き、睡眠が妨げられた朝。洗車機の中を思わせるような大粒の雨が降り続いていたが、出勤時間になったころには若干落ち着き、普段の降雨と同じ感覚で出かけられるはずだった。
来たバスに乗り込んで、少し早めの出勤を意識する。雨の日特有の、速度の遅さがあるものの、一応は快調に流れている…と思ったら、突然の渋滞。止まるまでは至らず、ソロリソロリと徐行運転をするようになった。前方で見えたのは、道路ではなく川のようになった大量の水。先ほどまでの豪雨で道路が完全に冠水し、車の流れを妨げていた。この地で生活してて、冠水したのは初めてのこと。

バスの車窓から。冠水した部分に突入し、まるで船を思わせるかのような水しぶきを上げる。オレンジ色の物体は、道路に記された「50」、制限速度の数字だ。
今日の冠水道路は、乗用車タイヤのゴム部分程度の水深だったようだ。なんとか走行できるレベルで、これ以上深くなってしまうとサスアームや下回り(フロア)部分への直接ダメージが及ぶ。タイヤの中心部分が浸かる、スプラッシュマウンテン状態の深さになってしまうと、機械部品や電気系統全般が傷んでしまい、典型的な水没車になってしまう。
冠水した道路に突っ込み、やばいと思ったら迷わずディーラーや整備工場へ即駆け込むくらいの迅速な行動が必須。洋服ではないのだから青空の下で乾かしたり、部品が濡れているか否かという見た目でダメージの有無を決められるほど、水没車の修理は簡単ではない。そんなことをやっている時間が、実は車体にとどめを刺しているようなもの。(→大雨で冠水、その時、車は?)水没車を修理するなら、車体を構成するボルト一本一本という、部品単体まで分解して点検する完全オーバーホールの覚悟が必要だ。
昔と違って、極端な天候になりやすい。自動車趣味とは、天候の移り変わりすら気にする必要があるわけで。