S15シルビアの日常点検を行っていたところ、ホースの劣化を発見した。何のホースか経路を辿っていくと、左側(助手席側)ヘッドライト裏側にあるチャコールキャニスターから接続されている、ガソリン蒸気を回収するホースだった。

表皮がボロボロになり、クリップもサビが浮いている。さらにリサキュレーションバルブ(ブローオフバルブ)とインテークチューブを繋ぐホースも柔軟性を失っており、ネジ式バンドの隙間からゴムがはみ出ている状態だった。思った以上に広範囲のホースが劣化いることが分かり、さっそく交換作業の準備を開始した。S15シルビアの部品供給状況はあまり芳しくなく、注文してから入手するまでに半月以上の時間を要することが多く、準備には一ヶ月以上になった。今後も乗り続けるつもりなら、早い決断と行動が大切になってくる。

いよいよ作業開始。燃料系統をいじるのだから、燃圧除去作業を予め行っておくことが大前提となる。次にスロットルバルブ周辺の吸気系統部品をどんどん外し、インマニサージタンクを取り外せば下ごしらえはOK。ちなみにスロットルバルブは、冷却水の抜き取りが関係してくるのでホースは接続したまま、エンジンルーム内に置いていた。

本格的な作業前に、エンジン本体の簡易的なコンディションチェックとして、スロットルバルブの裏側を見ておく。総走行距離相応に汚れているが、バルブ本体は金色の輝きがまだ残っており、サージタンク内もアルミの地がハッキリ見えたので、調子は悪くはないと判断できる。同時に、街乗り特有の低回転運転とチョイ乗りが多いことも見えてくる。

サージタンクの裏側にある、この2本のホースが最も劣化していた。今回の作業のメインが実はコレで、2本のホースのためにインマニサージタンクの脱着を主体とした、吸気系統の分解作業が行われてきた。ホースはパイプに固着しているので、下手に力を入れるとパイプを曲げてダメにする恐れがあり、慎重を要する作業となった。

外したホースは全て点検する。最も酷かったホースはヒビ割れどころではなく、内周部で首の皮一枚で維持されている状況で、あと少しで自然に裂けてしまう寸前となっていた。何も手をつけていなければ突然の破損も考えられ、交換して正解だった。ホースクリップそれぞれにサビが発生していたのも気になるところで、日産の部品は防錆能力が弱いのだろうか。

ここまで分解しているのだから、手の届く範囲のホースは一斉に交換しておく。チャコールキャニスターとの接続ホース(ソレノイドバルブも含む)、燃料フィルターとフューエルインジェクションレールを繋ぐホース、そしてフューエルレギュレーターからのリターンホース、リサキュレーションバルブ(ブローオフバルブ)に繋がるホース、ブーストセンサーのホース。劣化してつや消しのグレーだった各ホースが、新品で弾力と柔軟性のある黒いホースに交換されてリフレッシュだけでなく、見た目も良くなった。交換予定のホースを全て装着したら、折り返し。外した部品を元通りに取り付けていく。

全ての部品が装着され、見慣れたエンジンルームに戻った。主に燃料系統のホース交換となるので、エンジンを掛ける前にガソリン漏れがないか入念なチェックを怠らないようにする。エンジンを始動して、走行前にももう一度点検。アイドリングは安定しているか、ガソリン臭を感じないか、異音や二次エア吸気音がないか、吹け上がりは良好か。全てに問題が無ければ、作業は完了。
サンプルがこのS15シルビアだけなのでハッキリとした判断はできないが、他のS15シルビアも同じように経年による劣化が始まっているとすれば、早めの修繕を行った者勝ち。もはや気軽に乗り回せる、イマ車ではないレベルに入りつつある。先述したが、日産の純正部品供給状況は極めて悪く、製廃部品もチラホラ出始めていることから、万一の故障で修理を希望しても、すぐに手をつけられない可能性が出てきている。この恐ろしい事態をどう思うかは、各オーナー次第かもしれない。