組織(笑)

組織が優秀かどうかは、非常時の対応で大きく判断できる。トップが感情を剥き出しにして混乱しているようでは、組織の実力なんてその程度のレベルで、平時から事故やミスなんて防げるわけがなく、最悪の場合傷口を広げることになってしまう。

直属のボスが現場の権限を持ち、部下をコントロールすればいいのに、いきなり別の部署の上司がボスを飛び越して末端の部下に思いつきで指示を出し、ボスが蔑ろにされるとか、日ごろから口癖のように言っている「報告・連絡・相談」が全く機能していない。振り返ってみれば、東日本大震災当日も似たような状況で、情報収集や状況把握で精一杯なのに「連絡がない」「やる気がない」と決め付けて、怒声ばかり上げていた。この経験を全く覚えておらず、同時に学習していないことが明白で、老化で脳細胞が減る一方の老人には、非常時におけるリアルタイムで迅速な判断と柔軟な対応は無理な話だろう。

現状のままでは、近い将来発生すると考えられている東海地震の際、東日本大震災以上に混乱するのは目に見えている。アメリカでは、非常時における標準化されたマネジメントシステムことIncident Command System(ICS)という、優れたシステムが開発されている。トーナメント表のように、頂点に全命令系統を発する総括部を一つ置き、その下に支部、指揮部、実行部と広がっていく。大前提ルールとして、命令系統が一つしかなく、そして自分の所属する支部からのみ指示を受けるようになっている。これだけでも、外野から余計な命令や指示がなくなり、実行部隊はスムーズに動きやすくなることが容易に想像できる。

標準化やマネジメントといったものが大好きなのに、こういう非常時対応の手法は皆無。準備しておくだけでも、万一のときに役立つと思うのだが、何もなければ準備の必要がないと考えている連中には、馬耳東風そのものだ。福島第一原子力発電所の事故以前は、「事故は現実には起きえない」と考えられ、電力会社は事故対策に本腰を入れていなかった。何もなければ何もしないというのは、どこの組織も一緒らしい。