懐かしきVFD

物流職場に出向いてみると、あちこちに電卓が配備されていて物品数の計算でミスしないよう、自由に使うことができる。その中に一台だけレトロで、異彩を放つモデルが置いてあった。一目見て、「これは絶対に捨てんでくださいよ!」と進言しておき、さらには「手放すときは連絡ください」と。

出どころを聞くと「私物だよ」「昔はこういうのが適当だったからなぁ」とのことで、これはあまり期待しないほうがいいか。それからしばらく月日が経過して、A4サイズの封筒を渡される。「約束だ。持っていってくれ」と件の電卓を渡された。

蛍光表示管の電卓

その電卓とは、カシオ計算機 S-2という非常に古いモデル。詳しい資料は見つかっていないが、恐らく1970年代後半あたりの製品と思われる。ディスプレイ部分が液晶画面ではなく、蛍光表示管(Vacuum Fluorescent Display、VFD)が使われている。

当時は当たり前だったディスプレイ部分も、今はすっかり見なくなった。遠い昔に家にもあった気がするが、久しぶりに見ることになって、妙な懐かしさがあった。それから冒頭のハナシに繋がっていく。

もう少しで50年程度の年数が経過することになるが、今のところは普通に使うことができる。それだけの年数があるため、桁数の多い計算を行わせると、現行の電卓よりも明らかに遅い。それもまたレトロな雰囲気で、むしろいい印象に繋がっていく。ボタンの押し心地や蛍光表示管特有の鮮やかさから、非常に使いやすい。

普段のカム切り替え回転数

懐かしきVFDとはいえ、よくよく考えてみればEK9シビックRに装着している、A’PEXi V-AFCIIもVFDを使っていた。直射日光が直撃する明るい車内でもハッキリと表示が読めるので、見やすさそのものはLED以上。