先日の土日は分厚くて低い雲が空に広がっていたおかげで、羽田空港のエンジン音がよく聞こえていた。最も目立つのがANAのボーイング777…プラット&ホイットニー PW4000系の機種で、スプールアップのときに「ポー…ン」とも「ボー…ン」と聞こえる、ほら貝や瓶の共鳴音のような音が1~2秒鳴り、間髪入れずファンの低音が響く。
冬場は空気が冷えており、音が上空に逃げにくく、遠くまで音が届く。特に冷えてくる夜ではこの現象を感じやすくなるが、実際は雲の多い昼間でも離れた位置の音が聞こえてくることは多々あり、今回のエンジン音は雲による影響だろう。

これがプラット&ホイットニー PW4000系エンジン。モデルとしてはPW4090で、系列の中では最大出力型。ファンの直径は2.85mに達し、とにかく大きい。肉眼で見ることができて本当によかった。
プラット&ホイットニーのエンジンは、世代が変わっても音に共通点があった。古くは日本エアシステムのMD-81/87で使われていたJT8D、日本航空のクラシック747、767で使われていたJT9Dも、PW4000系のような低い音を立てて空を飛びまわっていた。いろいろな人がYoutubeに動画をアップロードしている現代では、これら旧機種のエンジン音を振り返ることは容易い。
2021年2月21日、ユナイテッド航空のエンジン損傷により、国交省はプラット&ホイットニー PW4000系エンジンを搭載したボーイング777の運航停止を指示。これであの「ポーン」「ボーン」音が完全に聞こえなくなり、こういったところでも運航停止を実感させられたもの。
JALは該当するボーイング777が経年機だったこともあって、運航を再開することなく退役。ANAは2022年6月23日より順次運航を再開。久しぶりにPW4000系のエンジン音を聞くことになった。以来、この音は?と聞こえてくるエンジン音とFlightradar24を組み合わせ、音の記憶に間違いがないかチェックすることも。
そう遠くないうちに、PW4000系の音は聞けなくなる日がやってくる。航空機の騒音はけっこうなキツいものなので静かなほうが助かるが、特徴的な音がなくなるとそれはそれで寂しい気もする。
日本エアシステムでエンジン整備をしていた人と働いており、機体やエンジンの談義で盛り上がることは多い。「JT8Dはよかった!あれはいいエンジンだよ!でもね、V2500。こっちはもういい!散々泣かされました!」とのことで、新エンジンの方がいいというわけではないそうだ。