「ちょっといいですか!?日付と時計はズレる、電波は受信しない!G-SHOCKなんてこんなダメダメなんですか!?」と怒声と共に持ち込まれたのが、カシオG-SHOCK GW-A1100FC-1AJFだ。
職場での空き時間を利用して簡易診断してみると、標準電波は受信することから、受信系の回路は問題なし。日付と時計のズレは、単純に標準電波を受信しないタイミングが長期間あったために、カウントがズレているためだろう。
「説明書を読めば書いてあるから」と教えても、「何が何だか分からないから!」と口にするくらいなので、文章を『見るだけ』で『読まない』、典型的な面倒臭がりな人。ちなみに、カシオのサポートセンターにも電話したらしいが、「電話越しで操作方法を言われても分からないばかりで、途中で止めました」と、非常に面倒なタイプ。
これ以上はらちが明かない。「いいから黙って一晩貸せ」と強引に(?)奪い取って持ち帰り、クリーニングを兼ねて外装を分解。0点基準やホームタイム都市といった各種設定を一つひとつ見直していく。

洗浄後の乾燥待ち。
「電波時計っていうのに、電波受信しないんだけど?」なんて質問やクレームは、時計店ではよくあるネタだろうか。電波時計は常時受信しているわけではなく、24時間内での特定時間帯に何回か電波を受信するようにプログラムされており、ここで受信できればその日は『受信済み』フラグが立って、誤差がなくなる。
もしも24時間内の特定時間帯に一度も受信できなければ、『受信無し』として運針、通常のクォーツ時計並みの精度になる。
G-SHOCKに限らず、国内メーカーの電波時計は毎日の深夜から早朝にかけてが、電波受信タイミングとなっている。福島県と佐賀県から標準電波が送信されているが、日中時間帯は世間の活動によりさまざまな電波が飛び交っており、どうしても標準電波は弱くなってしまう。夜間になれば活動も落ち着き、標準電波も飛びやすくなる。この昼と夜の差をうまく活用するよう、深夜から早朝が受信時間帯となっている。
うまく受信しないと思ったら、時計を窓際において一晩放置してみる。カシオの時計なら12時位置、セイコーやシチズンなら9時位置に受信アンテナが内蔵されていることが多いので、ここを窓の外方向に置くとより受信しやすくなる。
電波時計のチェックは最低でも一晩掛かるなんてザラだが、事前診断のおかげで早いタイミングで問題なしと判明している。予定通り、明日には返却できるだろう。