マニュアル化

仕事を進める上で、誰でも同じ結果を出せるようにマニュアル化するのがすっかり通例になった。マニュアル化…要は説明書を用意して、説明書通りに作業をすれば、誰でも同じように仕事ができることだ。こうしておけば、作業は統一化されて会社側は管理しやすいだろうし、作業者側も指示通りにやっていればいい。

仕事に対する疑問は、自身を成長させる大きな栄養だったりするのだが、その栄養を得るチャンスが無い。だから、自分自身がどれだけ重要な仕事をしているのかは分かりにくいし、何をしているかも分かりにくい。疑問が浮かばないように淡々と作業させるためのマニュアルなのだから、マニュアルから外れた行動をするのは許されない。「マニュアルに書いていないことはするな!」と怒っておけば、嫌でもマニュアルに従うように仕向ける事ができる。

ところが、マニュアル化されていない例外的なトラブルが発生すると、どうだろうか。仕事相手が人であろうと、機械であろうと、マニュアルには載っていないトラブルが発生することがある。解決しようとして「こうしなさい」とだけ書いてあるマニュアルをいくら参照しても、例外的なトラブルの解決方法は全く載っていない。

すると、作業者からは「マニュアルに無いので作業できません」という返事が返ってくる。それでも管理者は「解決せよ」と言うだろう。マニュアルに頼るあまり、考えることを放棄した作業者は、解決の糸口は見つけることができない。臨機応変で対応力のある人間になりたければ、ここが絶好のチャンスだ。

「こうしなさい」と書かれてあるマニュアルがあるとすれば「なぜそうなる?」という疑問が浮かべば、それが第一歩だ。疑問を解決しようとする力がとても重要で、時間がかかっても解決して理解できれば、知識面で大きく前に出ることができる。この前に出ることは、大きいことか小さいことか、考える余地は無い。仕事はみんなで仲良く横並びなんて、絶対にありえないのだから。