かれこれ一年以上に渡って職場で続けていた並行業務が、全て終了となった。
半導体不足が世界的に知れ渡ったのが2020年秋とされるが、実際は2019年から続く米中貿易摩擦が起因しているとのこと。そんなことは全く頭になく、回路設計を任されて図面を起こし、さて必要な部品を注文しようとしたら「納期は半年だってよ」と事務担当から返答。これが半導体不足か!と実感させられることになった。
さらに樹脂不足も同時に起きていた。アメリカでは天災でポリアミド(PA)樹脂の供給が滞ってしまい、リレーソケットや端子台といった樹脂パーツが入手困難になる。ちょうどコロナ禍で海外からの部品取り寄せも時間が掛かるようになっていて、私一人で設計と部品手配に苦労している状況から、大規模工場をはじめとする製造部門の混乱を痛感させられる。素人には分からない、想像を絶するプレッシャーがあったに違いない。
幸い、回路設計は単純かつシンプルな構造だったので、必要部品も少なく済み、納期は長かったものの全て揃えることができた。今日現在でも使用した一部の部品は入手できない状態が続いており、もう少し遅かったら作製が困難になっていた。タイミングと運に助けられたかもしれない。
設計側でこの苦労。消費者側となれば、欲しいものが手に入りにくいといった別の苦労が発生する。文句を言って改善されれば苦労はせず、メーカー側も困っているわけで、労いの言葉はどれだけ掛けたことか。消費者側としては、もうしばらくは我慢が続きそう。
青島刑事は「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」と有名なセリフを発した。劇中における警察沙汰だけでなく、製造や整備といったあらゆる舞台に当てはまる一言と思った。上層部の気分と変なノリで、それまでやってきていたことがふいになったり、方針が大きく変わることはどこでも起こりうる。当人の希望通りにコトが進むことにご満悦かもしれないが、現場としてはモチベーションは下がる一方だ。