各社の逸脱防止対策とか

昨晩は大きな地震があった「らしい」。地域によっては停電もあったとか。普段と変わらぬ朝(4時半)に起きて、ネットニュースをチェックして一気に目が覚める。気絶状態と変わらぬ睡眠ゆえ、昨晩に大変なことが起きていたと遅れて知る。会社で事情を話すと「あの揺れを知らなかったのか!」と唖然していたほど。

参照→2021年10月8日の記事:地震?なにそれ?

JR東日本の東北新幹線が脱線したという報道があり、さらには橋脚にもダメージが及んでいるとのこと。東海道新幹線以外の脱線防止対策はどうなっているのか。調べてみると各社で全く違う仕様になっていることが分かった。

国土交通省で公開されている『資料8 新幹線の主な脱線・逸脱防止対策の状況』(PDF)に、各新幹線の脱線防止対策が記載されているので、それぞれを引用する。

JR東日本の逸脱防止ガイド

JR東日本だけでなく、直通運転をしているJR北海道やJR西日本(北陸新幹線)では、軸箱の下にL字型の金具を装着し、脱線したときはレールに引っ掛けることで大きく逸脱することを防ぐ仕組み。そのL字金具は非常に小さいように見えるが、強度計算や応力の解析は当然行われている。

脱線してしまうこと以上に恐ろしいのが、脱線した列車に対向列車がやってきて衝突、二次災害が発生してしまうこと。国鉄戦後五大事故では三河島事故と鶴見事故、営団地下鉄(現・東京メトロ)の日比谷線中目黒駅脱線事故が該当する。脱線事故に遭遇したら、いかに早く他列車を止め、被害の拡大を防ぐか。いわゆる緊急停止信号をはじめとする防護システムはあるが、それでも万全を期する意味ではあらゆる手段を用いて安全確保をしなければならないし、そのための教育は何度も何度も繰り返し行われる。

JR西日本の逸脱防止ガード

続いてJR西日本(山陽新幹線)。ハシゴ型のガードを線路の間に設置し、脱線して横移動してきた車輪を当てることで、逸脱を防ぐようになっている。

JR東海の逸脱防止ストッパと脱線防止ガード

最後にJR東海、そしてJR九州。東海道新幹線は南海トラフ巨大地震の発生が想定される地域を走るため、対策が一気に進められていった。まず脱線防止ガードを曲線直線問わず設置。地震で車両が揺さぶられても、レールから落ちることを極力抑える。車両側でも逸脱防止ストッパを装着し、万一脱線しても脱線防止ガードに引っ掛けることで大きく逸れることを防いでいる。

各社の対策は全く異なることが分かり、優劣は比べようがない。コンピュータ上によるシミュレーションを積み重ねても、自然は想像以上の力を発揮することがあり、時として人間が作り出したものは負けてしまうことがある。東北新幹線では、地震による脱線が現実に起きてしまい、逸脱防止ガイドがどう作用したかは、今後の解析待ちになるだろう。