羽田空港の発着枠増加目的で、都心上空を通過して着陸する新ルートの運用が始まったのが2020年3月29日。この都心上空を横切る経路は15時から19時の時間帯となり、そこに南風が吹くとなれば夏場が主体になる。
普段は現場から着陸進入する飛行機を眺めているが、今度は逆に機内から見える眼下の都心を見てやろうと、さっそく羽田空港に向かう。着陸時の羽田空港の天候から、飛行経路を予測しつつ、慎重に座る席を選ぶ。あとは賭け。

機内ではGPSロガーを使って、経路データを採取。東北方面からのフライトで、野田市上空から右旋回、さいたま市から練馬区に掛けて緩やかに左旋回を行い、そのまま羽田空港の滑走路に向けて一直線に降下していく。機内から地上の様子を見続け、事前の予測通りに新ルートでの着陸コースに入っていたことに気づいた瞬間は、非常に安堵したもの。

新国立競技場をパスする。新ルートの名目が、東京オリンピックに応じた大量の離発着を処理することが含まれていたと思うが、コロナ禍で航空需要が消滅。便数が減っても、新ルートでの運用が続いているようだ。

だんだんと見覚えのある建物が増えてきて、品川駅上空に達する。仕事帰りに着陸する機体を地上から眺めていたが、今度は上空から見下ろすことになった。これが本当の上から目線。
住宅地が近いために、羽田空港の離着陸コースに関しては必ず騒音問題が出てくる。確かにエンジン音は聞こえてくるし、気候や風向きによっては地上と雲で音が反響しあって、変な共鳴音になることもある。が、マクドネル・ダグラスDC-9やボーイング737(オリジナル)で使われていたJT8Dエンジンを知っている身からすれば、そこまで神経質になるような音か?と思う。厚木基地周辺の軍用機のほうが、余程強烈。

左下の青いグランドは大井ホッケー競技場で、オリンピックの競技会場の一つ。その隣が、大田スタジアム。写真の上半分を占める広大な敷地がJR貨物の東京貨物ターミナル駅。首都高湾岸線に挟まれるようにして、新幹線大井基地も見える。

A滑走路の16Rに着陸。燃料節約の都合もあって、エンジンを吹かす逆噴射は過去のやりかたのようで、今は静かな着陸が多い。
今回は東北方面からの新ルートを使った着陸だった。西方面から飛んできて新ルートでの着陸となれば、東京湾を左手に眺めることができるので、こちらはこちらで楽しめるかもしれない。