Amazonの欲しいものリストには、ブルーバックスシリーズで発売された『小惑星探査機「はやぶさ」の超技術』が長らくセットされたままになっていた。小惑星探査機「はやぶさ2」の成功を受けて、初号機となる工学実験探査機「はやぶさ」に関する本を改めて読み直すにはいい機会なので、注文して取り寄せる。

新書としての解説本、ノンフィクションの文庫本、擬人化によるマンガ本とそれぞれ書いてある内容は基本的には同じだが、ブルーバックスが最も濃くなる。技術屋の端くれとしては、一番読みやすいのがブルーバックスの解説本なので、ページはあっという間に傷むだろう。
ブルーバックスを読みながら残り二冊の本を並行的に読んでみると、擬人化マンガ本やノンフィクションでは描写されていない、計画の背景や設計の意図といった本質が次々に出てくる。そこで擬人化マンガ本やノンフィクションを読み返してみると、省略されずに僅かなも描写してあって、そういう意味が含まれていたのかと気づく。
このように、同じテーマに沿って複数の本を読むことを『並行読書』というらしいが、それが学習指導要領として文部科学省も推奨しているそうだが。昔から、それこそ小学校くらいから長らくやっているこの読み方が、今では文部科学省まで言うようになったとは。

アポロ計画の本においても、並行読書は成立する。特にアポロ1号の火災事故。作者はバラバラながら、各宇宙飛行士の発言やその後の行動は全く同じに書かれており、記録としての深みが増す。
今でこそ、ネットで調べれば答えに近いものはすぐに見つかるかもしれない。遠い昔は、気になることがあれば図書館に行って複数の本を抱えて机に向かうとか、同じテーマの本を何冊も買って調査することもあった。それだけに、並行読書は当たり前なことだったので、国が推奨するとは何を今更…という思いがある。
本棚は増やした分だけ、本が収まっていく。いくらあっても不足しがち。