車体重量

…と言っても、シビックRのネタではない。

N700形の妻面

こちらは新幹線N700系の妻面。中央にあるオレンジ色のカバーの内側に、編成を組んでいるときに隣の車両へ移動するための貫通路がある。偶数号車に乗っていて、例えばトイレや洗面所へ行く場面。トイレや洗面所があるのは奇数号車なので、そこへ行きたいとなれば、この貫通路を通る。

貫通路の左右にある斜めの棒。これは車体間ロールダンパという減衰装置で、車体のロール方向への動きを抑えて乗り心地を向上させる。

N700系の形式表記

そんな妻面の片隅に表記されている、車両の形式。車体重量は38.9tで、パンタグラフや走行用の各種装置を積みながら、この重量。他に比べるものはなく、こういう重量なのだろうと思っていたが。

過去、京急の久里浜工場一般公開に出かけたとき、ここでも編成をバラして車両単体が展示されていた。そこにいたのは京急2000形で、かつてのフラッグシップ車両。その実態は、廃車に向けた解体準備中。

京急2000形の妻面

なるほどコレが棒連結器、初めて見たなーと、そこをメインに撮っていた。

京急2000形の型式表記

ここでも形式表記があり、自重として35t。走行に必要なモーターや制御装置などを積み込んでいる。

全長は25m級、車体幅も在来線よりも一回り大きく、それでいてアルミ合金のフレームとネジ一本まで重量にこだわって軽量に仕上げたN700系。一方の京急2000形は全長18m、車体幅も小さめながらも鋼鉄フレーム。設計思想、使用している部品や素材が全く違うとはいえ、新幹線車両の異様な軽さをこんなところで実感することになった。

軽量化は振動や騒音の低減効果があり、加速と減速に必要なエネルギーを抑え、高速化にも繋がる。新幹線においては、0系と100系では鋼鉄の車体だったが、速度アップ、振動や騒音といった沿線環境への悪影響を回避するために、300系以降の車両ではアルミ合金の車体となっている。このN700系もアルミ合金の車体で、白と青の塗装が施された外装部分の板厚は非常に薄い。

EF210は100t

写真はWikimedia Commonsより。

貨物列車をけん引する電気機関車は、100t。大重量の貨物列車を一両の機関車で滑らずに引っ張るには、逆に重さが味方になってくる。形式によっては、あえて重量を増すこともやっている。

車体を軽くしたはいいが車内の人からすれば車内騒音が増え、ビリビリとした微振動が感じやすくなってしまい、制振材を埋めたり板厚を増やすといったデッドニングのようなことも行われ、結果的に重量が増えることもある。自動車と違って、鉄道車両は重量が軽ければ軽いほどいい…とはならないのが非常に興味深い。