セイコーダイバーのメンテナンスその1 状況チェック

今回の依頼時計は、セイコーのダイバーズウォッチだ。連日の使用でウレタンバンドが切れてしまい、ついでに「二日に一回は遅れの調整をする」と、遅れが気になるようになったとのこと。

セイコークォーツダイバー150m『ペプシ』Ref.7548-700B

これが依頼された、セイコーのダイバーズウォッチ。セイコークォーツダイバー150m Ref.7548-700B、1981年製の非常に古いモデルで、ベゼルが赤と青で塗られていることから『ペプシ』というあだ名もあるそうだ。

所有者は私の親父。経年でクォーツ回路の規定精度が出ておらず、その補修パーツもないとして、セイコーでは対応拒否されている。メーカーがダメでも、時計修理の専門業者なら見込みあるか?とオーバーホールを依頼したところ、「直せる」と判定されて見事に復活。また使えるようになったと、2016年の誕生日プレゼントとして返却することができた。

それから4年が経過。メーカーでの公式電池寿命は3年なので、それ以上動き続けている。電池切れが近いことを知らせる2秒運針機能があったと思われるが、ジワリジワリと遅れるならクォーツ回路の状態も気になるところだ。「んじゃ、まずは診ようか」ということで、その場で裏蓋を開けて、チェック開始。

セイコー Cal.7548

Cal.7548とご対面。新しい電池をセットしてみて、電波時計と比較しながら、どのような運針をしていくか、半月ほど時間を掛けて経過観察を行う。

セイコー純正品

経過観察中に、部品手配。まずは新品バンドや純正電池を揃える。

その他、気になるところはベゼル。ペプシカラーとは程遠い、薄い赤と青になって傷が目立ち、三角のゼロマーカーは蓄光部が無くなって穴が開いている。見た目が非常に悪いだけでなく、試しにベゼルを外してみたら、砂やホコリがバサッと落ちてきて、時計にも良くない。このあたりの対処を考えながら、急がずにメンテナンス作業を続けることになった。

私自身、この時計には非常に思い入れがあり、物心ついたときから親父の左手首に装着されていることを知っている。昔から存在し続け、古いアルバムの写真にも撮影されている「赤と青の重たい時計」が、こうして作業デスクに載せられ、作業着手のタイミングを待っているとは、なかなか感慨深いものがある。