朝。
あまりの寒さに目覚める。冷えが激しすぎる。寒くて寝ることができず、渋々起きることを決めた。エアベッドを片付けることもあって、エンジンを始動しヒーターで車内を温める。エンジン音までも冬季特有の高音を発する。それもそのはず、外気温は13℃まで低下していたのだから。
帯広、特に十勝は寒暖が激しいことで有名で、9月の時点で既に最低気温は15℃を下回るような日々だ。こんな環境なので、周囲の人は長袖長ズボンで完全な防寒スタイルを決め込んでいるのに、私は半袖とハーフという熱帯夜仕様のスタイル。それでいて「寒い寒い」と嘆きながら、車のドアやリアゲートを開けっ放しで片付けていたし、異様に見えたかもしれない。
北海道最終日の今日は、苫小牧に向かう。十勝から経由地である襟裳岬までは、国道336号線「黄金道路」を走る。景色がいいから黄金道路と思ったら、断崖に道路を作るための費用が莫大だったので「黄金道路」と呼ばれるようになったという。

風景はいいが…。覆道の多さと、新線となるトンネル工事があちこちで行われていて、長時間に渡って景色を望むことができなかった。強風による高波の影響を受けやすい道路であり、通行障害が発生しやすい道路ともいえる。この道路近辺で生活する人にとっては、通行止めが発生すると悪影響が出てしまう。だから今でも新しいトンネルが掘り続けられている。もう少し年月が経てば、山を貫く新トンネルが主体になるかもしれない。

最後の経由地となる襟裳岬に到着。風の強い岬で有名。土産屋の人も「今日は珍しく無風」とのこと。最終日に気持ちよく晴れてくれた。今回の旅行は本当に天気運が無かった。それでも主要の道路では雨は止んでいたし、最悪の状況ではなかったことが救いかもしれない。

襟裳岬までは、時間が早かったこともあって、太陽の高度が低め。だいたい逆光気味になる。いよいよ襟裳岬を出発し、苫小牧に向けて走り出す。今日までの長い距離の走行からすれば、十勝苫小牧間の240kmは短すぎる。襟裳岬からの国道336号線、そして国道236号線を走り抜ける。

今回のドライブで、一番酷かったのがこの道路。
点在する市街地を結ぶ一番早い道路であり交通量が多く、トラックが多いのでペースが上がらない。後ろから車間距離を詰めてきて、追越車線で黒煙を吐き出しながら追い抜くものの、その後の勾配区間でペースを上げられずに足かせになるトラックが多い。結局追い抜いた車達に、簡単に再び追いつかれて逆に煽られる結果に。そうなるのを分かっていて、無茶な追い抜いたりしているのだろうか?
さらに、こうやってペースが上げられないのを分かっていながら、車間距離を詰めてくる頭の弱いバカでクズなドライバーが目立つこと。 若いドライバーではなく、共通して加齢臭のしそうなクソジジイだ。こちらが県外ナンバーだから、そういう行為に及ぶのかもしれないが。 万一の場合、カマ掘ってしまうと圧倒的に不利になるのを分かってやっているのか。そこまで考える頭が無いから、無茶な煽り運転をするのだろうけど。北のヨハネスブルグ、バカの名産地、もれなく酷い運転という評判も納得できる。思い出した今でも本当にムカつく場所だ。7回死んどけ。クソ食らえR236。
不満とイライラに耐えながら、苫小牧港に到着。幸い、心配されていた台風の進路は日本海側ではなく、本州を横断するように太平洋側へ向かっているらしい。今のところ予定通りに出航とのことで、一旦苫小牧港を離れる。今回のドライブでは最後の昼食。買い込んだり持ってきたりした食材は、全て使い切ることができた。出航までは相当時間があるので、支笏湖周辺のドライブで時間を潰す。

日が傾きはじめて、ターミナルへ戻ると搭乗待ちの車が早くも列を成していた。荷物をまとめて、搭乗手続きを済ませて、最後の買出しで再びターミナルから離れる。「ちょっと近くのコンビニへ」がなんと往復で30kmにも達した。帰ってくるころには、かなりの待機列ができていた。

ターミナルに戻ってくるころには、船は接岸されて、積載していた貨物車を降ろしている最中だった。乗船まで1時間ほど待機して、北海道の冷えた夕暮れを味わいながらようやく積み込みの指示。

船室は1等和室とした。今なお「格差社会」を維持する船内は、等級がそのまま設備に反映される。船旅は20時間にも及ぶし、個室ならば周囲を気にすることなくダラダラ過ごせる。少々高くても、1等の個室を選んだのは正解だった。出航してすぐに夕食となり、風呂を済ませてようやく落ち着けたのは22時過ぎ。連日の車中泊の疲れがかなり溜まっており、睡魔も限界に達してここで消灯となった。