8:15
「おはようございます」と訪れたのは、空調服を着た作業担当者だ。挨拶から簡単な事前説明が始まり、傷防止の養生をセッティングを行って、さっそく作業開始。ベリベリと壁紙を剥がす音が響き渡って、あっという間に下地ボードがむき出しに。
今日は便所リフォームの日。「この日しかない」と作業店側から提示され、それならばとこの日をチョイス。家の中のトイレは暑い、臭いと悪条件が揃っている。私も便所設備系のメンテナンスは経験しているので、少しでも作業環境の改善に繋がるよう、扇風機を複数設置してエアコンからの冷気を流し込んでいく。
二人目の職人が登場し、頭にねじり鉢巻をした中年のおじさん。親方らしいスタイルの職人さんが、今なおいることに感動と驚き。
9:00
ガコガコと音がしたと思ったら、いつの間にか便器が外れており、旧便器が玄関先に運び出されていた。タンクと便器が分離した状態でまとめており、観察してみると便座と陶器部分の間には、見慣れた汚れが固着。外された便器は破砕され、埋め立て処分されるのだろうか。
10時過ぎに「ちょっと一服入れてきますねー」と、休憩に入る。小休止から戻り次第、作業再開。ひたすら壁紙の貼り付け…というよりも、今回の作業を通して最も時間がかかっていたのは、実はこの壁紙の貼り付け。貼り付けてからも、ある程度乾くまでは次の作業に着手できず、ひたすら待ち続けていた。便器の取り外し、汚水管の位置調整、新便器の設置はあっという間に終わっていた。
11:50
新便器が廊下に仮置きされ、これもある意味では見慣れた光景。ゴミや梱包材を清掃し、汚水管の微調整。電動ノコギリとハンマーからの聞き慣れた動作音が、妙に心地よかった。そして新便器をセットする。
12:50
取り外していた便所内備品を再セットし、交換作業は終了。損傷等がないか職人さんたちと合同でチェックし、異常が無ければ書類にサインして、リフォーム作業は完了となる。
・トイレのリフォームは半日を要する。この中でも壁紙の張替え時間が殆どを占める。
・便器本体とタンクそれぞれは、片手で持てるほどの重量しかない。この「持ち運べる重量」が関係して、海外では便器を遠くに投げる大会が存在し、信管を取り付けて実戦で投下した「便器爆弾」が存在する。
・工事時間中は便所が使えなくなるので、朝から水分の摂取を抑え、利尿効果のあるカフェインは口にしないという、客側も我慢が強いられる。
・便器は進化しており、より少ない水で洗浄するようになっている。大量の水で汚物を押し流すことが前提にされている配管系統において、少量の水による洗浄となるため、配管内にウンコが留まることはないのか、疑問が残る。
車に限らず、取り外しから組み立てまでの一連の流れについて、興味深く見てしまうのは機械いじり趣味の一環だろう。既に建設されている建物でこの状態なのだから、家を建てるときには暇さえあれば飽きることなく眺めているのかもしれない。