今時は、ICカードによるペーパーレスな乗車券が増えていると思われるが、紙タイプの切符も相変わらず見かける。青春18きっぷやゾーン券を使って鉄道旅行をしていた昔、それら紙の切符を『乗車記念』というハンコを貰って持ち帰るのが楽しみの一つだった。
普段ならあまり気に留めない切符だが、失くしてしまうとさあ大変。有人改札に立っている駅員に切符を失くした旨を告げると、(若干嫌な顔と面倒臭そうな雰囲気を漂わせながら)再発行手続きをしてくれる。やれやれ再発行してくれて一安心…ではない。タダで再発行ではなく、乗車していた区間、列車、設備の切符をもう一度買わなければならない。そう、全く同じ運賃を払うことになる。
運賃と特急券で高かったのに、もう一度払えとはなんだそりゃ!となるが、そもそも失くした当人の管理能力が悪いわけで、鉄道会社に落ち度はない。このことは旅客営業規則に記載されており、簡単に言えば切符は鉄道による移動の『契約書』のようなもの。あんなに小さなものでも、契約としての効力があって、扱いにはけっこうな縛りがあったりする。
さて、再発行された切符には「紛失再」もしくは「紛失」という表示が入る。そして下車駅にて再収受証明=切符を再購入したという印鑑や用紙をもらい、再発行された切符は必ず持ち帰ることになる。
再発行され手元に残った切符は、一年間有効。この一年以内に失くした切符が見つかった場合、再収受証明付きの切符と見つかった切符の完全なセットを揃えて発売窓口に提出すれば、再購入した切符については所定の手数料を差し引いて払い戻しを受けることができる。
このように、乗客、鉄道会社共に非常に面倒な扱いが待っているので、契約書たる切符は絶対に失くしてはならない。実際、馴染みの乗務員に聞いたところでは「相手がどう言おうと、規則だから払ってもらう」だそうで。楽しい旅の第一歩は、切符の丁寧な取り扱いから。

闇営業問題でゴタゴタしている某オフホワイトメンの過去のツイートでは、切符=契約書と考えれば、いかに当人が契約というものを舐めていたか、うかがい知ることができる。吉本の芸能人だからという一種の特権意識があって、顔パスで改札を出れるものと思っていたから、こういうツイートが平気でできるのかもしれない。