S15シルビア、ワイパーリンクを交換する

ワイパーアームの塗装劣化に乗じて、ワイパーを動作させるためのワイパーリンクを同時交換することになった。作業前の段階ではガタは出ていない…と思われていたが、作業後の降雨によるさっそくの動作チェックでは、ガタつきや異音が出ていたことが判明し、予防保全どころか事後保全となっていた。結果として、本格的におかしくなる前にリフレッシュすることができた。

劣化したワイパーアーム

塗装がハゲてしまい、白くなり始めたワイパーアーム。過去に一度、黒スプレーで塗装しているものの、こうして白くなり始めてしまった。再塗装よりも新品へリフレッシュすることにして、さっそく取り外す。

カウルトップ内のリンクアーム

今回はワイパーアームだけでなくワイパーリンクも交換するので、カウルトップパネルも外す。ダクト内部にワイパーリンクが計2本装着されており、これがシルビアのワイパーを動作させる構造となっている。

S15シルビアのワイパーモーターの位置

ワイパーモーターはダッシュパネルの助手席側に装着されている。(表現が適切かはどうかともかく)日産車の場合、ワイパーリンクをASSY化せずに個別部品を使い、ワイパーピボット=ワイパーアーム固定部分の装着はダクトパネルで行うようになっている。

こうすることで、ダクトパネルという構造体がワイパーピボットの装着場所を兼ねることができて、ワイパーリンクが絡む占有体積の縮小、ワイパーリンクのASSY化で必要となるアングル材が不要、ピボットの小型化が可能となり、低コスト化を追求できるようになっているようだ。ただし、ライン上で個別の部品を次々と装着しなければならず、製造工程数が増えてしまう点では不利に思える。

ホンダ車におけるワイパーリンクASSYの例

こちらはEK9シビックの例。ワイパーモーター、ワイパーリンクがASSY化され、カウルトップ内のダクトに一括で装着されている。アングル材や金属製のピボットというコストがかかる部品で構成されているが、別工程で予めASSY化しておくことで、ライン上では一括で装着できて時間短縮の面では有利か。

部品コストや製造工程数の考え方が全く異なり、極めて興味深い事例となった。なるほどこれが「技術の日産か」と思っていたところだが、すぐに「あっ…この瞬間が日産車だね…」と捉えてしまう設計の悪さを実感することになる。

運転席側ワイパーピボット

まずはこちら。運転席側のワイパーピボット固定部。窓ガラスの傾斜にあわせた窪みができているので雨水が溜まりやすく、固定用のナットやねじ山は完全に錆びてしまっている。パネル部分に穴は開けられているが、窪みの最低部分ではないことから水抜き穴ではない。

中央側ワイパーピボット

中央側のワイパーピボット固定部についても、やはり窪みで雨水が溜まる構造になっており、ナットやねじ山は錆びに覆われていた。これぞ「あっ、この瞬間が日産車だね」と実感する謎の設計。これら錆びたナットは割って取り外すことになり、この作業だけで一時間ほど要した。

ジュラコン樹脂のひび割れ

ワイパーピボットのベースはジュラコン樹脂。動作時や風圧のストレスを長年受け続け、ねじが打ち込まれた部分全てにひび割れが発生していた。金属製のピボットは錆びる、樹脂製のピボットは割れる。さてどちらがいいか。

グリス切れのボールジョイント

外したボールジョイントを点検。見た目では割れや欠け、傷はなし。経年でグリスが失われてしまい、関節部品が直接接触するようになって、受け側となるプラスチックのジョイントが僅かに摩耗していらしい。これがワイパー動作時のがたつき、ガコガコという異音に繋がっていた。

ワイパーアームとワイパーリンクの交換終了後、さっそく雨が降ってきた。交換前に比べて滑らかで静かな動きになっており、これが新車当時の動きだったようだ。動きが良くなって、機能だけでなく見た目としてのリフレッシュ効果も高い。