前回、ワイパーアームを交換
して見た目のリフレッシュは済んだが、その後の動作テストや実使用ではどうも納得がいかなかった。ワイパーアームの取り付け穴がしっかりして固定できた分、動作したときの妙なガタつきが目立つようになり、またもや停止位置が定まらなくなってしまった。しかも、ふき上げの頂点位置がずいぶん下がってしまい、不具合はワイパーアームの取り付け穴だけではなさそうだ。
ワイパーアームはガタガタと揺れながら頂点に向かい、頂点位置は運転席側が酷い。運転席からの前方視界では、ちょうど右側の視界を塞ぐような位置だったりするので、鬱陶しいだけでなく、安全性にも悪影響を及ぼすようになった。
ワイパーアームの停止位置は交換前よりは下がっているものの、相変わらずフロントガラスの黒色部分に被らないことが多い。大雨の中で使っていると、次第に正しい位置に戻ってくるので、気にしないのも一つの手段だが…?
停止位置が下がりすぎてしまい、カウルトップパネルに突入するようになった。ワイパーゴムを短時間で損傷する原因にも繋がり、このような些細な不具合こそが、車体のボロさ加減を思いっきり強調することになり、さすがにこれはいただけない。カウルトップの穴から中を覗くと、ワイパーリンクのフレーム部分に錆が見つかり、気にしない、放置という手段はできなくなった。
未使用時は、ブレることなく正しい位置にビシッと止まる。しかも低速モードや高速モード、間欠動作において、滑らかに動き続ける…。このレヴォーグ
と比較しても、当たり前のコトが全くできていない状況から、今度は駆動部分…ワイパーリンクを交換することにした。
一括交換
パーツリストによれば、ワイパーリンクを構成するいくつかの部品は、単体での設定がある。その一方で、コンプリート化された状態でも設定があって、しかも高価ではないことから、迷うことなくコンプリート品をチョイスした。ワイパーリンクだけでなく、固定用のボルトやナット類も新品で揃えておく。
| 7. | 76520-SCC-003 | リンクASSY. | 993円 | 1個 |
| 10. | 76530-S04-003 | リンクCOMP.,フロントワイパー | 10,746円 | 1個 |
| 19. | 90126-SR3-000 | ボルトワッシャー,6X32 | 388円@97円 | 4個 |
| 21. | 93402-06014-08 | ボルトワッシャー,6X14 | 111円@37円 | 3個 |
| 22. | 94002-08080-0S | ナット,6カク 8MM | 32円 | 1個 |
| 23. | 94111-08800 | ワッシャー,スプリング 8MM | 27円 | 1個 |
7番のリンクASSYの部品番号の中番…SCCとは、初めて見る。担当メカニック曰く「モビリオ系と共通化された」とのことで、引き続き現役の部品となっているそうだ。部品単体で調べていくと、1980年代の設計が今なお現役だったりすることがあり、『その車用に部品を設計する』のではなく『作った部品を車にどう使えるか』というホンダのやり方を垣間見ることになった。
交換
まずはワイパーアームを外し、カウルトップパネルの取り外しから行う。
先に赤色の枠で囲ったBクリップ8個を外し、次に緑色の丸で囲ったAクリップ9個を外すと、カウルトップパネルを取り外すことができる。Bクリップはボンネットラバーシール(ゴムパッキン)の固定を兼ねているものがあり、ボンネットラバーシールを切らないように注意。
Aクリップについても、製造当時から未交換であれば割れることがあるので、新品(91508-SX8-003)をいくつか用意しておくと安心かもしれない。なお、Aクリップを外す際は、カウルトップに傷をつけないようにマスキングテープやボロ布でカバーする。
カウルトップパネルを外すと、ワイパーリンクが見える。白色の丸部分のコネクタを外し、そして黄色の丸部分のボルト4本を外せば、ワイパーリンクを車体から取り外すことができる。
駆動用モーターは再利用する。自動停止している位置を新品のワイパーリンクへ引き継がないと、正しいふき取り範囲にならない。ワイパーリンクの裏面には目盛りが振ってあり、ついでにリンクASSYにも三角形マークが入っているので、新品のワイパーリンクを組み立てるときに、これらを目安にする。
駆動用モーターを移植しているところ。駆動用モーターからリンクASSYを外すときに、固く締まったナットを回そうとすると軸も回ってしまい、自動停止位置を見失うことがあるが、そのときは駆動用モーターだけで車体に接続し、間欠動作させれば正しい位置に戻ってくれる。
古いワイパーリンクは錆があちこちに浮かび、グリスは粉塵まみれになって関節の動きが渋い。そして後述となるが、ワイパーアームの位置が定まらない原因も見つかった。
リンクASSYはモビリオ系との統合により、形状が丸いタイプに変化した。停止位置の目印は、三角形マークから単純な一本線に変わっている。これなら、ワイパーリンクの目盛りと一致させやすい。
駆動用モーターを移植し終えた直後。新品の部品数、外した部品数がそれぞれ合っているか、忘れ物がないかチェックして、いよいよ車体に組み込む。
ワイパーリンクを車体に装着したところ。水や外気に直接触れる部分ながら、用途を終えたワイパーリンクの錆は狭い範囲に留まっていたことから、防錆めっきの耐久性はかなり高そうだ。
カウルトップパネルを戻し、ワイパーアームを装着。ワイパーアームはガタつくことなく正しい位置に収まり、変なブレもない。いよいよ動作テストだ。霧吹きなどでフロントガラスに満遍なく水気を与えて、ふき取り動作をチェックする。
運転席側のワイパーはピラー近くにまで到達し、正しいふき取り範囲になった。装着した位置で自動停止し、フロントガラスの黒色部分から上側に外れたり、カウルトップパネルに突入することはなくなった。
ワイパーリンク内の関節が新しく、グリスがしっかり充填されているので、低速モード、高速モードの動きが見たことないほどの滑らかさで極めてスムーズ、これが本来の動作具合だったらしい。納車当時でも、こんな動きはなかったことから、本当に長い間、不具合を抱えていたまま動作し続けていたようだ。
目に見える部分の動きが良くなると、古臭さが減って印象が良くなり、非常に効果的なリフレッシュとなった。
〆
ワイパーアームの位置が定まらない原因は、すぐに見つけることができた。
リンクASSYはボールジョイントになっており、対になるワイパーリンクの受け側はプラスチック製。割れて破損しており、ボールジョイントが動き回っていた。これがワイパーアームがガタついたり、スムーズに動かなかった原因だった。ワイパーアームの穴がダメになっているだけでなく、ワイパーリンクの関節部分の破損という、二つのトラブルを抱えていた。
新品の受け側はロッドにガッチリと固定されている。19年も経過すれば、割れるのも仕方がない…か?
振り返ってみれば、速度計の針が右下を向いた高速走行中にワイパーを動作させたことは何度もあり、フロントガラスが乾いている状態での動作も数知れず。これらのストレスが、ボールジョイントやワイパーアームの取り付け穴に積み重なっていき、穴の緩みや割れに繋がった。普段の使い方一つで、寿命が大きく変わることが分かり、再度破損したときに部品が入手できるとは思えないことから、今後は丁寧な扱いを心がけたい。
走行距離:251,752km