撒菱かっ!?

駅から職場まで2.5kmものウォーキングでは、洋館風の豪邸、桜の並木、アグレッシブな通勤の原チャリ信号レース、ふ頭や市場に向かう様々なトラクターヘッドというように、見ていて飽きないネタが多い。

歩行コースも公園を突っ切り、首都高を陸橋で横断し、アップダウンに富んでいる。家からの自転車通勤でも殆ど同じコースを辿るので、アップダウン区間では歩きでは程よく心拍数が上がり、これが自転車だと足腰に軽い負荷が掛かって、下り坂では体を冷やすことができる。

あまり広くはない歩道(自転車通行可)なのだが、自転車は我が物顔で走り去るので、なにかと危ないゾーンとなっている。特に下り坂区間では上り坂の疲れを癒す目的があるのか、ノーブレーキで下って、ついでにベルで歩行者を蹴散らしていくシーンは当たり前にある。

そんな下り坂区間に、罠が仕掛けられていた。なんと大量の画鋲が撒き散らされていた。

下り坂区間に入って、やけに路面が金色に輝いているなと思ったら、画鋲。すぐに靴の裏を見たが、幸いにも踏み抜く前に画鋲の存在に気づくことができた。そして、立ち止まっている私のすぐ横を追い抜かす自転車の存在…いやまさか?

たまたま坂道で、事務員が画鋲を撒き散らしてしまい、そのまま立ち去ってしまった…とは考えにくい。画鋲が撒き散らされている部分は二箇所で、自転車が通りやすい下り坂の緩いカーブの外側と、歩道との合流地点に仕掛けられていたことから、罠としか思えない。歩行者を避けさせ、我が物顔で走る自転車に対する嫌がらせか。

歩行者としても不愉快な朝となり、気分の悪いまま職場に到着。別現場の人との会話では「今日も歩き?」「はい」「画鋲、あったよね?」「ありましたよ!撒菱っすよあれ!」「やっぱり!パンクさせられたよ!」というわけで、身近なところでも被害が出ていた。

その場で警察に届け出るかどうか協議したが、故意か過失か分からず、人的被害も出ていないため、通報はしないという結論に至った。撒菱のように、歩道に画鋲を撒いていたならば、その様子を眺めて笑っている犯人が近くにいたと思われる。場所柄、大型倉庫や物流センターのビルが多い場所なので、人知れず見下ろすには好都合な環境が揃っている。

なぜ、このようなことをするのだろう。他人に迷惑を掛けることで、自己に溜め込んだ不満を発散させているのだろうか。ガキのような考え方しかできない幼稚な思考、盛大な嫌がらせまでできない精神構造を持つ、惨めで寂しい人間なのかもしれない。