義務教育あたりでは『日本は天然資源に乏しい国』と習うところだが、実際はメタンハイドレートは90年分以上の埋蔵量が確認されており、世界6位の領海・排他的経済水域では豊富なエネルギー資源、鉱物資源が確認されていることから、決して天然資源に乏しいわけではない。採掘、生産まで至らない背景には、コストが掛かりすぎるという分かりやすい金の問題がある。
関東地方においても、ガス田が存在していたりする。

千葉県を中心に、埼玉県、茨城県、東京都、神奈川県と広大に分布しており、湧出した天然ガスによって、忘れたころに爆発事故が発生することがある。2007年に発生した渋谷温泉施設爆発事故の原因は、温泉を汲み上げた際、一緒に噴出するメタンガスを適切に処理していなかったため。
千葉県睦沢町の瑞沢川では、南関東ガス田由来の天然ガス(メタンガス)が噴出するポイントがあり、地質界や石油業界の人が観察しにくることがあるそうだ。どんな場所なのか、雪予報が出ている中、さっそく現地へ出かけてみることになった。
現地近くの道の駅『つどいの郷むつざわ』に車を置いて、1.3kmほどの徒歩。県道150号を大多喜方面に向かって歩いていくと、県道151号との交差点に出て、ここが噴出するガスが見れる場所のようだ。

目標となる交差点前では、道路標識も設置されているのですぐに分かる。

ガスが湧き出ている様子は、瑞沢川に設置された西門橋から見れるようだ。小湊鉄道の西門バス停から、西門橋を見る。

西門橋のすぐ左手には、立派な三角点が設置されていた。

実際に西門橋を渡りながら、瑞沢川の様子を眺めてみると、すぐに気づく。

多数の泡が、川底からポコポコと湧き上がっている!土手を降りて、水面ギリギリまで近寄ってみる。

川底から湧き上がる泡。これこそが、南関東ガス田由来の、メタンガス。あちこちから泡…ガスが湧いている。同じ場所で常に湧き出ているわけではなく、地層の圧力と地下水の具合でガスが出なくなる様子が見れる。

逆に、ガスが湧き出てくる場面もある。足元で突然泡が立ち上がり、さっそく撮影。今までガスが出ていた部分が止まれば、すかさず別の場所から湧き出てくるようだ。
当然、火気厳禁。そんなことを記した赤い看板があるそうだが、今回は発見できず。湧き出たメタンガスは空気より軽く、水中から大気中に出た瞬間に空気と混ざって散ってしまうので、ガスを集めるなら水上置換がベストか。
この周辺一帯、約258万8000年前は海だった。海底に砂や泥が積もって地層となり、一緒に埋もれた植物等がバクテリアによって分解され、天然ガスが生成。これが川底から噴出する泡、メタンガスとなる。そんな太古の歴史を今に伝える観察地点だった。
総走行距離は200km、近くて遠い千葉を印象付ける距離となった。