OMEGA DE VILLEのムーブメント単体での精度調整を行い、このあたりが最適解かな?と思えるセッティングに達した。

この時点での日差+11秒、ビートエラーは0.3ms、振り角267度。各姿勢差を見直しつつ、日常使用なら十分な精度に追い込んだ。
テンプの直径が7mm程度で、緩急針に至ってはさらに小さくなり、しかもヒゲ持ち、緩急針といったレバー類は共に固着気味で、素人の調整では限界だった。この二つのレバーを無理に動かし続ければ、いつかピンセットが外れて、テンプやヒゲぜんまいに衝突、調速機を壊す恐れがあり、そんな恐怖心に打ち勝つことができなかった。
過去のオーバーホール歴が不明ながら、40年にも渡る稼動ストレスは、部品の破損という結末に至っていた。

テンプがやけにガタつくので、テン真(テンプの軸)が折れていたら厄介だな…と調べてみたら、実際は耐震装置のバネが折れていたことによるガタつきだった。ツメが折れて石を正しい位置に保持できずに僅かに傾いてしまい、これがガタつきとなって感じ取っていた。
そしてこちらは、香箱内部の様子。

パチッと香箱を開いた瞬間、にゅっと飛び出す香箱芯(中心軸)。

このとおり、切断していた。ぜんまい切れに関しては、もともと金属疲労を起こしていたところにオーバーホール前後のぜんまいの巻上げにおいて限界を迎えてしまい、とどめを刺したような感じか。
職場での時計ブームが起きて、来年で3年になる。ちょうど初回オーバーホール時期に突入するタイミングで、ここが将来に渡って使い続けられるか否かの境目となる。今回の症例から、定期的な分解は絶対に必要と実感した。