DE VILLEの開腹検査

晴れていれば車いじりの日となっていたが、あいにくの雨予報ということで予定を変更。預かっているOMEGAの腕時計、DE VILLEの作業を少しでも進めておくことになった。

緊張の針外し後

スタート早々から、強い緊張を強いられた針を無事に抜き、一旦休憩中。なんか見覚えのある大きさだなと思い出してみると、百円硬貨のサイズ(22.6mm)と殆ど一緒だった。

地板に錆

文字板はゴムチューブで地板にセットされているだけだったので、丁寧に取り外して、文字板内部側から分解していく。裏押さえを外し、オシドリやリューズ、ツツ車を外したところ、嫌な色の汚れが付着している。これはEK9シビックRで見たことがある色だ。

オシドリに錆

外したオシドリを裏返してみて、予想したとおりの錆だった。1970年代の時計だけに非防水構造で、リューズが通るケースの貫通穴から外気や汗(水分)が侵入してしまい、腐食を起こしていたのかもしれない。

その他、香箱内部のゼンマイが切断したか磨耗でスリップしているようで、辛うじて引っかかって巻き上げられていた状況が、とうとうアウトになった。24時間も持たないパワーリザーブから嫌な予感はしていたが、気づかぬまま返却してすぐに不調を起こしていたら、むしろ「直ってない」「オーバーホールで破壊された」という最悪の結末に至る。

見つけてしまった不調で「修理できないから返す」とは、技術屋として失格、自分で分解した以上は絶対にできない。次なる対策案を考えていると、部屋が暗いことに気づく。天気予報どおり、外では雨が降っていた。雨雲で空が暗くなり、自然光を取り入れることができなくなって作業ができなくなる。蛍光灯やLEDの照明ではダメなので、短時間での打ち切りとなった。