今は昔、サーキットを走っていたころのお話。
スポーツ走行枠でコースを走り回っていたところ、オーバースピードのまま最終コーナーに突入し、アウト側に膨らんでグラベルゾーンに左側のタイヤが乗り上げた。そのままチェッカーフラッグを受けて終了、ベストラップも出た。意気揚々とパドックに戻ってくると、どこからともなくシュー…という変な音が。
同行していたS15オーナーはすぐに異常を発見し「リアタイヤの空気が抜けてるよ!」ということで、もしかして先ほどのグラベルゾーンに落ちたダメージか。空気を入れてみても、やはり盛大にエア漏れの音が響く。

グラベルゾーンの石を踏んでパンクしたらしく、穴も見つけた。穴の開いたタイヤは使えないので、ひとまずテンパータイヤを装着して走れるようにしておく。

EK9シビックRで、実際にテンパータイヤを装着したのがコレ。あまりのダサさと不恰好な姿に自然と笑顔になり、タイヤ交換の作業がなかなか進まなかったほど、楽しい思い出となった。
テンパータイヤはサイズの都合上、非駆動輪に装着しなければならないので、FF車であれば必ずリアタイヤに装着する。今回はたまたまリアタイヤがパンクしたのでそのまま装着したが、駆動輪となるフロントタイヤがパンクした場合、正常なリアタイヤをフロント側へ持っていき、空いたリアにテンパータイヤを装着する。
タイヤサイズが小さくなるので、左リアの車高が若干沈み込んだ状態で走ることになった。街乗りで一般道なら、直進性やハンドリングは普段と変わらず。ただ、接地面積が非常に小さくなっているため、なるべく路面の凹凸を避け、いつも以上に緩やかな加速とゆとりある減速、滑らかなコーナリングを意識し、ヒヤヒヤしながら走っていた。サーキットの帰りは高速道路を経由することになるが、安全を考えて地元までの自走は避け、サーキットの近くにあるガソリンスタンドに駆け込んで、パンク修理を行ってもらって元の状態に復帰することができた。
イマ車は「路面事情が良くなった」「使うことが無く、環境保護」「低コスト化」といろいろ理由をつけてテンパータイヤを省略することが多くなったが、実際に使ったことが二度もある身としては、けっこう恐ろしいものがある。酷道や険道に踏み込むことが多いので、なおさら予備は持っておきたく…。