口座維持手数料とか

去年末あたりから、国内3大メガバンクが「口座維持手数料の徴収を検討する」旨の報道が出た。日銀のマイナス金利で利益を出しにくくなったことが最大の要因とされ、利益が生まれない以上はコスト削減→口座維持に関わるコストを預金者に負担してもらうという考えに至ったようだ。併せて、口座維持手数料は海外の銀行ではほぼ導入しており、「無料」は日本のみということも報道されている。

海外の銀行では口座維持手数料が掛かるから、日本もその流れ沿うという営業姿勢と報道が妙に気に食わない。だからガラパゴス化が進むとか言われるかもしれないが、一種のミスリードではないか。その例として挙げた海外では、口座維持手数料を徴収している代わりに、ATM利用手数料が24時間無料だったり、休日にも窓口営業が行われているという大きな違いがあって、そのような差はなぜか殆ど触れない。口座維持手数料を徴収しながら、日中時間帯以外のATM利用手数料を取り、今までどおり土日祝日は休むなんて客(※1)バカにしたことを抜かすなら、全く公平ではない。金を引き出すことで金を取られ、金を預けても金を取られる。しかも金利もつかない以上は、ただただ銀行に金を譲り渡しているだけになってしまう。

その口座維持手数料については、またも海外の例として、一定預金額以下になると発生する設定が挙げられている。このパターンでよく取り上げられるのがSMBC信託銀行の口座で、その過去はアメリカ系旧シティバンク銀行の個人向け事業に行き当たる。海外系の銀行なので口座維持手数料が存在していたが、条件をクリアすれば無料になる。同銀行が日本から撤退、個人向け事業をSMBC信託銀行が買収した際に、口座維持手数料の仕組みも引き継いでいる。

SMBC信託銀行における口座維持手数料については

口座維持手数料…月額2,000円(税抜き)
ただし、
・前月の月間平均総取引残高の外貨部分が20万円相当額以上
・前月の月間平均総取引残高が50万円相当額以上
この二件以外にも設定されている条件を一つでも満たすと、口座維持手数料は無料。
SMBC信託銀行口座維持手数料のページを参照

となっている。

外貨で20万円相当額以上、もしくは外貨と日本円の合計で50万円相当額以上となるので、このあたりが目安になってもおかしくはない。数万円程の零細預金者は高コスト以外何者でもないようで、口座維持手数料を嫌がって解約されても、痛くも痒くも無いのが実態とされる。

諸費用が掛かっていた無料サービスを有料にする、本来の姿に戻すならば仕方ないと思う。その際には、ある程度の『格差』が生じてしまう点(※2)は、世間を幅広く見れば納得できる。ただし、「カイガイガー、ニホンデハー」と銀行側も言った以上は、ATM利用手数料の無料化や、土日祝日の窓口営業も視野に入れないと不公平で、銀行法による法律で…という言い訳はもはや通じない。同時に、トヨタではないが乾いた雑巾をさらに絞るコスト削減案をどんどん出しながら、拡大するフィンテックに対応していかないと、旧来の金融機関体質のままでは経営が成り立たなくなる。マイナス金利が要因とされるなら、それが終わった場合に、口座維持手数料の取り扱いをどうするのか。この先、銀行がどう動こうと、難しい足取りになってしまうように思える。

※1 客
富裕層クラスになると、一般向けの営業とは違ってくるそうだ。

※2 格差
船舶や旅客機での特等やプレミアムクラス、列車ではグリーン車、グランクラス。軽自動車と大排気量高級車。大きな金額が掛かるほうがサービスは良く、同時に会社の利益に繋がることは、どこも似たようなもの。