応急点検を

後輩から「ブレスが切れてしまったんです」ということで、腕時計の点検依頼。ブレスはバネ棒の折れだったが、それ以上に目を引いたのが文字板の様子。運針も安定していない。

Charles Vögele CV-7961

こんな具合。インデックスの装飾が飛び散っており、預かった時点では針に絡んでいた。時計を軽く振って、各針から装飾を飛ばしておく。目視点検では針が振れながら運針していたので、嫌な予感がする。ブレスが切れたときの状況を改めて詳しく聞いてみると「落としました」ということで、最悪の状況だ。針の振れは軸から取れていることを示しており、キャリバーのダメージが気になるところ。

文字板にはCharles Vögeleというブランド名、裏蓋にはCV-7961という型番があった。10 YEAR BATTERYとはずいぶん長持ちする駆動系のようで、いったいどういうものなのか。

中身はミヨタ2S65

裏蓋を開いてキャリバーを取り出すと、インデックスの装飾と針が脱落。慌てず騒がず、竜頭をゆっくり回して引っかかりや変な感触、抵抗感がないかチェック…異常なし。カレンダーの切り替えも正常だったことから、グランドセイコーのように、0時を少々過ぎたあたりで日付が変わるように針を再セットする。キャリバーと同サイズの電池(CR2012)が収められており、これは確かに長持ちする。キャリバーの刻印からMIYOTA 2S65と分かった。

装飾除去完了

後輩からは「装飾パーツがまた落ちたら嫌だし、全部取っちゃってください」ということで、指示どおりに装飾を除去する。インデックスからキラキラした装飾がなくなったことで、ダイバーズウォッチ風の印象が強くなり、むしろ違和感がなくなった。返却は来週中ごろになるので、それまでは連続運針させて精度と落下によるダメージがないか、チェック作業が続く。