返却前日 セイコー 38クォーツQR編

久しぶりの、セイコー38クォーツQRネタだ。前回の記事はストレステストを行い、その一方で精度が気に入らないという内容だった。

ストレステストは仕事の現場という過酷な環境だったが、そもそも腕時計に衝撃を与えることが間違っており、落とした、ぶつけたという取り扱いミスは、極一部の腕時計を除いて絶対に避けなければならない。実使用においては、機械式時計並みのデリケートに扱う使い方が要求される。

精度の悪さが気になってしまったからには、返却を先延ばしにしてでも、追求してみたくなるのが技術屋の性。高精度機械式時計、電波時計とNTTの時報を頼りにトリマコンデンサの調整を続け、回すチャンスは一日一回。反時計回りで進むようになり、時計回りで遅れる方向に精度が変わるようだ。これを20日ほど繰り返して、最終歩度は+0.5秒/日程度を達成。

トリマコンデンサにドライバーの先端が触れただけで精度が微妙に変わる…こんなシビアな状態まで追い詰めて、これ以上の調整は不可能という段階に達したことで作業の区切りとした。

裏蓋には作業完了日を記入

裏蓋には作業完了日を記入し、シリコングリスを塗布したパッキンをセットして、しっかりとねじ込んでカバーした。一年後には寿命を迎え、交換することになる内蔵電池については、いわゆる出ベソ部分からアクセスできる。固く締めた裏蓋を開けるのは、早くても五年後くらいだろうか。そのときまでは、安定した運針を続けてほしいところだ。

3月11日に預かり、二ヶ月少々での退院となった。長らくお待たせしました!