春のアレに発酵食品

実際のところ、『発酵』と『腐敗』の区別は紙一重のところがあるそうで、両者共に微生物の力で分解された結果という点では同じだったりする。身体に良ければ発酵、悪ければ腐敗として取り扱っているに過ぎないそう。

発酵食品といえばヨーグルト。これがなかなか有能な食べ物のようで、今の時期では対花粉症薬として機能するのは有名な話か。実際、私は現在に至るまで花粉症とは無縁で、各種アレルギーもない。ではなぜ、ヨーグルトが花粉症に効くのか。だいたい出てくる理由が『ヨーグルト内の乳酸菌が腸内に到達することによって、腸内環境が改善され免疫力が高まり、アレルギーの花粉症状も緩和される』というもの。いやいや、乳酸菌のほとんどは胃で死滅するものだし、残ったものが腸内に届くと免疫力が向上する意味は分かりにくい。胃を無事にパスして腸内にやってきた乳酸菌は、免疫システムから見れば『敵』と判定されて処理せねばならず、それが免疫力が高まっているという状態になる。対乳酸菌対策で大騒ぎしているところに、花粉という新たな敵がやってきても手を付けられないのが実態だとか。

栄養を取り込むのが腸で、場所柄ウイルスや細菌に接することもあるわけで、腸内には免疫細胞が集まっている。その免疫細胞を都合よく操るために、腸で作用する乳酸菌が大活躍だ。…が、乳酸菌は決して強いキャラクターではないし、新たな供給が滞れば処理が済んでしまい、免疫システムも落ち着いてしまう。これを逆手にとって継続的にヨーグルトを食べることで、常に乳酸菌を腸内に送りつけて免疫力を高めたままにして、花粉対処どころではない状態に仕組んでおくわけだ。しかも、乳酸菌の燃料として食物繊維=野菜等を常に取り込んでおくと、なおよろしい。

継続的な摂取とは、どれくらいの期間か。食べてすぐに効果が出るわけではなく、週単位、月単位が目安だろう。私の場合、毎日毎朝欠かさず食べており、かれこれ20年以上は継続している計算になる。更には、同じく発酵食品の代表格である納豆。夕食時に併せて食べることが非常に多く、納豆菌もやはり腸内でいい意味で暴れてくれるので、相乗効果が出やすくなっている。とどめに発酵途中で止め、中途半端発酵飲料である烏龍茶もよく飲む。その一方で、これらを摂取したからといって、絶対大丈夫ではないのが難しいところ。

「○○を食べると身体にいい」と言われ、飛びついたもののハッキリとした効果が実感できないのは、ある意味では当たり前。日ごろの生命活動において細胞が順次入れ替わり、その過程で少しずつ効果が出てくるためだ。そんな中で「効果がないから止め」としてしまえば、新しい環境が構築されないまま元通り。一度こう!と決めた習慣をコツコツと継続することが、後々良好な結果を生み出すことは、身体だけの話ではない。