事故から10年…

あの自損事故から10年だ

自損事故

衝突した瞬間、上半身はシートベルトで固定され動かなくなるが、頭部だけは別。成人男性の頭部は体重比で約10%の重さがあるので、だいたい6.5~7kgあるだろう。そんな重たい頭部が、100km/hに近い速度で壁にぶつかり車本体が止まった瞬間、首を支点として慣性によりまだ前進し続けようする。瞬間的に首は大きく曲がりながら引き伸ばされ、すぐに元に戻る。このとき、首の筋肉や靭帯などの軟部組織が、一時的に引き伸ばされたことで損傷を受け、数日間は腫れ(※1)と痛みに悩まされたが、もし神経層まで損傷が及んでいたら、笑い事では済まなかったはず。

保険会社との連絡では、何度も「お怪我はありませんか?」と聞かれた。首が痛いなんてことを発すれば、病院へ行かなければならないし、自損事故なのに人身事故扱いになって、これはこれで面倒な手続きが増えてしまうことになるので、「無傷でピンピンしてます」と答えていた。実際、三日程度で痛みは落ち着き、一週間もすれば腫れが引いた。それから現在まで、後遺症みたいなものは一切なし。

昔と違って、今は車を見せびらかすことがメインになっている気がする。もし、あの事故を起こさなくとも、時代と共に変わっていく首都高の雰囲気に違和感を覚えて、自然と走らなくなっていたと思う。

※1 腫れ
首の周りで、両手の親指と中指で輪を作る。当時はその輪がだいたい首の太さだったが、腫れがピークになったとき、両手の親指が離れてしまった。まるで肥大化したような状態にまで達し、顎の輪郭と腫れた首が一体化するほど。