ヒョー

長野県上田市から茅野市を経由し、静岡県浜松市に至るのが国道152号。中央構造線に沿っているため、地盤が脆く崩れやすい地質になっていることから分断区間が存在し、林道を経由しなければ通行できず、なかなかの酷道ぶりとなっている。

古い地図等において、長野県茅野市から南下するような格好で道を追っていくと、二つ目の分断区間(青崩峠)を回避するようにして存在する林道のなかに「ヒョー越」とだけ表記された峠がある。兵越峠という立派な名称を持っているが、なぜかカタカナを含むヒョー越と表記されている。このヒョー越を走破してみようと思い立ったのは、免許を取ってすぐのことだから、かれこれ10年以上前の話になる。これ以上先延ばしし続けると行くのも億劫になるし、自分に課していた宿題を片付けることにして、午前4時、出発。

午前7時に国道20号から国道152号に入り、のんびり走って二時間が経過したころ、一つ目の分断区間となる地蔵峠に到着。

地蔵峠

駐車して散策できるような場所ではなく、対向車とのすれ違いに神経を使う一車線の狭い道路。しかもハイキング客を輸送するバスやドライブ目的の車が頻繁に往来するので、さっさと撮影したら素早く再出発。ここから国道に戻らず、さらに林道の奥深くに入っていくと、しらびそ峠に行ける。経路としては、こちらのしらびそ峠経由のほうが面白いらしく、宿題を片付けたと思ったら新たな宿題が発生することになった。蛇洞林道は短いながらダート区間があって、久しぶりの荒れた道を楽しむ。

R152分岐点

一時間ほど走り、いよいよ兵越峠の文字が出てきた。右が本来の国道152号となるが、不通となっているため×マークが付いている。

ヒョー越

出発から六時間で、ようやくヒョー越に到着。シビックRが長野県側、撮影する私が静岡県側にいる。県境で道路管理の管轄が変わることから路面の舗装が異なり、静岡県側に至ってはL型街渠まで設置してある。写真左側の「国境」という立て札は、浜松市と飯田市による「峠の国盗り綱引き合戦」のいわば勢力図。勝ったチームが「国境」を1メートル相手側の領土に動かすことができる。つまり、勝てば領土を拡大できる。ここ数年は飯田市(信州軍)が勝ち続けて領土を拡大していたが、2014年は浜松市(遠州軍)が勝って、領土を1メートル奪い返した。そのため、本来の県境の標識から2メートルの位置に立て札が設置されている。立て札の足元、漢数字で「一」「二」と振ってあるのが、県境からの領土。

ヒョー越の看板

樹木に掲げられていた「ヒョー越」の文字。地蔵峠同様、広い場所ではないし、狭い道路を塞ぐわけにもいかず、何枚か撮影したらすぐに南下を開始。このまま国道152号を走り続けていれば、新東名に出る。すれ違いが困難な狭い道に変に慣れたおかげで、新東名特有の広い道路はとても爽快。東名高速に戻るまで、速度感覚が狂いっぱなしだった。

総走行距離

今回の総走行距離は631.6km、38.5L給油、総合燃費は16.4km/Lだった。酷道区間では減速と再加速を繰り返し、すれ違いが困難な区間で対向車と出くわすことが多く、ストップアンドゴーが重なり、新東名では緊急工事の渋滞で熱中症を回避するためにエアコンを使用。これらの要因で、燃費が悪化したようだ。

先述したように、今度はしらびそ峠方面にも足を伸ばすつもり。どこかの機会で、もう一度来ることになりそう。