今日はセイコーアルバ

運針が不安定になり、さらには曜日表示機能が壊れてしまったセイコーアルバの腕時計が持ち込まれた。シチズン/ミヨタCal.2035と似たようなコンセプトのムーブメント、セイコーCal.VJ33が搭載されていることに興味を抱いたので、さっそく分解して調べてみることにした。

デイディスクの裏側

いきなりデイディスクの裏側の写真。曜日表示がおかしくなっている状態…日本語表示と英語表示の間、空白部分で止まっている様子を撮影することを忘れており、ここまで分解してから思い出す。

原因としては、このデイディスク裏側の歯車が剥がれるようにして歪んでおり、うまく回転しなかったことによるもの。デイディスクはペラペラのプラシート状で、歯車も似たような柔らかい素材。無茶な扱いをすれば曲がってしまうような印象で、日付変更禁止時間帯に操作を繰り返したか。

デイディスクのクラッチ部分

一段階引いたリューズの右回しと左回しで、日付、曜日の各ディスクの回転を切り替えるクラッチ部分。ここの異常はなさそうで、切り替え歯車のスライドもスムーズだった。

モーター部分

さらに分解して、モーター部分をチェックする。シチズン/ミヨタCal.2035では歯車を含めて金属で作られていたが、セイコーCal.VJ33では樹脂のローターを使っていて、違いが大きく出る部分。ローターそのものは、Cal.VJ33のほうが大きい。

ローターの軸受け部分に異常あり

回路やコイル、サイズの割りに強い磁力を持っていたローターを外し、軸受け部分をチェックする。シャーシに一体成型された穴に軸が刺さるようになっており、これも低コスト化の手段だろう。穴に極小の異物、恐らくは削れた樹脂の破片が入っていて、これが運針を妨げた原因だった。

今回の調査で手軽に購入可能な腕時計…シチズン、スウォッチ、そしてセイコーの各社のムーブメントを分解することができた。3社とも製造コストを下げるための方針や構造がまるでバラバラで、非常に興味深いものとなっている。

セイコーのムーブメントはアンティーク、高級品、普及品までは似たような構造だが、安価モデル向けでは大きく変わってくることが分かった。スナップフィット構造で組まれている部分が多く、ライン上で重ねて最後にパチンと押し付ければ完成するようになっている。使われていたネジは僅か1本。

不調箇所が判明したことで、次の作業工程へ進む。時間の経過と共に日付と曜日の切り替えがスムーズにいくか、精度がある程度保たれているか調査している段階。しばらくお待ちくださいな。>依頼者