長靴

朝から大雨だ。こういう日は出かけたくはないが、それでも買い物で外に出なければならない。

水道管の工事が原因ではないが、居住地周辺の道路事情は随分と悪化したように思える。均一に舗装されているはずのアスファルトだが、老朽化や地質の変化もあってか、今日のような大雨になると大きな水溜まりができるようになっている。歩道の幅全体が水に覆われる状態になり、それがあちこちに。

こういう路面環境なので、普段と同じ靴でウロウロすると水浸しになってしまう。そこで大活躍するのがゴムの長靴。歩きにくいが濡れるよりかはマシで、水溜まりだろうがなんだろうが、路面環境に左右されなくなるのが強み。水溜まりにジャブジャブと踏み込んで歩いていく感覚は、恐らく幼稚園か小学生の低学年以来ではないか。

水溜まりを歩いていて、ふと長靴を巡る古い記憶を遡る。その防水性から遊びの道具となって、水を運ぶためのバケツ代わりになる。山の上に学校があって、雨が降ればあちこちから湧き水が流れて出てくるところだ。まず長靴に水を溜め、同時に水路に石を積んで小さなダムを作って堰き止めてておく。長靴の水を水路に流して水嵩を増しておき、最後に即席ダムを決壊させる。水路に溜まっていた葉やサワガニが、次々と流されていくのが面白かったのかもしれない。

使い終わった長靴はすぐに片付けず、陰干ししておかなければならない。そのままシューズボックスへ放り込むといつまでも乾かず、水や汗が絡んでゴムの上では異様なニオイに変化することがある。そうなると、先述したように遊びで使った後は水洗いしなければならないが、後のことは怒られたことを含めて記憶がない。子どもの頃の記憶なんて、そんなものだろう。

道路の劣化と補修のスピードが釣り合っていない状況から、雨の日における長靴の使用機会が増えたりするかもしれない。