値下げと値上げ

すっかり混雑が苦手になってしまい、通勤は人と接触しにくい徒歩や自転車がメインになり、公共交通機関たる電車やバスを使う時は、なるべく人の少ない号車を選ぶとか、時間帯を考えるようになった。

それでも大混雑な時間帯に当たってしまうことがあり、そんな車内で我慢をし続けると極短時間で参ってしまう。それならばと、グリーン車を使う場面が本当に増えた。座れるかどうかというよりも、すし詰め状態の普通車から回避する手段としての使い方だったりする。座ることができれば万々歳だが、階段が備わるデッキ部分に立っているだけでも、混雑の回避の観点では悪いものではない。

興味深いところとして、普通車と全く異なる、ある種の秩序が保たれている不思議な車内空間だったりする。クロスシートゆえに、隣に見知らぬ人が座っていることは珍しくないが、隣の人へ一礼するなり手刀を切るなりしてから座るとか、「お隣、失礼します」と声を掛けてから座る人が多いこと。シートのリクライニング機能を使うとしても、後ろの席に配慮しながら深くまではしないとか。

金を持っていると精神的に余裕ができて、気持ちや態度に余裕が出てくるというが、そういったことの関連性もありそうだ。グリーン車を利用している乗客の一人ひとりが、あの独特の静かな空間を作っているわけで、変に騒ぎ立ててしまうと場違いでしかない。こういうところも、金持ちの作法の文字通りの見学となってくる。グリーン車の利用実績は決して多くはないが、嫌味な乗客は全く見たことが無いのは奇跡だろうか。

そんなグリーン車の料金は、2024年3月16日のダイヤ改正から、一部値上げとなる。今日のような休日に設定されているホリデー料金が廃止となって通年設定、Suicaグリーン料金で見ると50kmまで750円、100kmまで1,000円、101km以上は1,550円の三段階になる。短距離利用が主体なので、平日料金は30円の値下げ、しかしホリデー料金が無くなるのは正直痛い。だが、背景を考えれば割り切るしかないか。

グリーン車に限らず乗り物系はなんでもそうだが、金を増やせば楽になり、混雑や喧騒から離れられるメリットがある以上、このテの『格差』は歓迎する姿勢だったりする。その代わり、相応のスジは通してもらうことになるが。