シビックR、整備工場への入庫の日。昨日から引き続き大雨で、整備工場へ向かう道路には通行止めが発生。仕方なく下道で向かうが、普段から混雑気味の道路で、主要道路が通行止めになればもうカオスだ。いつもは一時間も掛からない行程が、今日は二時間半も要した。
見積もり=その場で入庫という流れは相変わらずで、代車を借りて帰宅することになる。さて、今回の代車は何になるか。いつもの素イフトやフィットかと思っていたら、まさかの8代目アルト。次期主力車両(F-X)に向けた実態調査にはちょうどいい。

▲画像はWikimedia CommonsのSuzuki ALTO VAN VP (HA36S) front.JPGより引用。
代車を借りた時点ではまだ大雨で、慣れない車、通行止めでカオスな道路事情が続く。すっかり疲れ切ってしまい、帰宅するころには昼食時だったりする。

昼食休憩を経て、まず行ったのが撮影…ではなく、車内清掃。フロアが砂利まみれになっていてあまりにも汚く、代車といえども我慢ならぬ。せっせと掃除機を掛け、さらには内装パーツを拭き掃除。ある程度納得できる車内環境に仕上げておく。
トヨタですら舌を巻くという、スズキのコストダウン対策。「低コスト化がお好き?結構。ではますます好きになりますよ」ということで、例えば内装。薄く作ることで軽量化はもちろんのこと、使用する樹脂量そのものを減らして、ケチに徹していることが分かる。よく見ると、鋼板が剥き出しになっている部分が多く、それでいて悪い印象にはならないのは、スズキの軽自動車、庶民の車という性質があるためか。

R06Aエンジンは「どうぞ回してみて下さい、いい音でしょう。余裕の音だ、馬力が違いますよ」。軽量な車体のおかげもあり、エアコンを使いながらの首都高湾岸線も問題なく走ることができる。さすがに右車線をすっ飛ばすには苦労させられるが。エンジンルームは全体的にスカスカで、各部品にアクセスしやすい。

「中身はなんだこれ?」「知らないほうがいいわ」。フロントフェンダーはプラスチック製で、軽量化と低コスト化のためには、できることは惜しまないらしい。樹脂フェンダーなら錆の心配はなく、管理もラクそうだ。
フェンダーの内側には、衝撃吸収用の発泡スチロールが装着されている。これは珍しいものではなく、あらゆる車種で行われている対策。1990年代後半のシビックRでさえ、内装の構成部品として装着されている。

「それは何?」「トレーリングアームだ」。リア下回り。トレーリングアーム式のサスペンションで、教科書に記載されているような典型的構造。
ブッシュが少なく維持管理が容易であり、ヒョコヒョコとした乗り心地だが決して下品ではない。個人的に最も好きなサスペンション構造だったりする。次期主力車両(F-X)において、フィット4が脱落しない理由の一つに、リアサスペンションがトーションビーム式となっているため。シビックRのダブルウィッシュボーン式では、ブッシュの多さが管理の手間に繋がっており、さすがに次はラクになりたい。
目立つ2本の配管はガソリンの給油パイプとエア抜き用のパイプ。防錆メッキされたパイプを使い、ホース部分は暴れないようにタイラップで縛っている。これが他社なら、パイプ周りは飛び石用のガードが装着され、ホースはクリップで固定、ホースとパイプの連結部分も上手に隠されていると思われる。

反対側はマフラーのパイプがある。フレームやパネルの塗装状況から、所有するならアンダーコートをしっかりと塗布して、防錆対策を行いたい部分だ。

掃除機をかけていたところ、助手席の下に黒いナゾの箱があることに気づく。はて、このアルトにはナビは無かったはずだが?昔の車ではあるまいし、助手席の下にモノを置くとは珍しいが。

シートレールの間に収まる程度のサイズ。貼付されているステッカーから、リチウムイオンバッテリーだとすぐに分かった。こんなところにバッテリーを置くとは、軽自動車ならではのスペースの有効活用だろう。小石や砂がハイブリッドバッテリーの周辺に落ちてしまうと、極めて掃除しにくい。

製造はデンソーで、12V36Whの容量となっている。なかなか不思議なバッテリーで、駐車してからしばらく経過し、エンジンを始動すると残量は0になっている。少し走っていくうちに充電され、以後は放電と充電を繰り返す。駐車すれば、また残量は0に。充電した電力はどこへ消えた?
旧車用として、このモーター機能付き発電機と小型リチウムイオンバッテリーをセットにした後付けハイブリッドシステムなんてものが登場すれば、極めて興味深いチューニングパーツになるわけで、真剣に導入を検討するだろう。
アルトは9代目がデビューしているとはいえ、まだまだイマ車に分類される。しかも軽自動車となれば、なかなか接する機会がない。構造一つひとつが調査する貴重なチャンスだ。午前中の大雨が嘘のようにな、爽快に晴れ上がった午後。清掃を兼ねて車体のあちこちをチェックし続けていた。