寿命のお話

大阪出張の日。

「23日大阪行ってこい」
「へ?自分っすか?」
「そうなんだよ。上からの直接ご指名だよ」
「マジっすか…ワケ分からんっ」

というやり取り。先週は鈴鹿サーキットまでひとっ走りしており、今週は大阪。オンオフ問わず、二週連続で西方面へ行くことになった。プライベートで大阪方面へ車で行くことは何ら不満はないのに、業務で新幹線を使って大阪方面へ行くことは苦痛でしかない。

渡された乗車券を見ると、A席指定になっていた。ここ最近の乗車率の実績と予約状況から、席変更することなく2時間半程度の我慢。

窓際に座る

やれやれ。

窓際席に座り、座席のひじ掛けと内装パネルの間に腕を置いておくと、トンネルや駅の通過、対向列車とのすれ違いといったシーンでは、腕が押されるような感触がある。走行中の車体には様々な圧力が掛かり、常に膨らんだり縮んだり、または捻じれたりしており、ある意味では歪みながら走り続けている。進行方向問わず、窓際席となるA席E席どちら側でも体感することができる。

出先から戻るときに乗ったタクシーの運転手からは「新幹線って10年ちょっとで入れ替わりますよね?」なんて聞かれたが、実際そのとおりで、15年少々で運用終了、基本は解体されて素材ごとに適正処理される。

「ふつーの電車みたいに、海外とか持ってきませんの?」
「いやー、無理ですよ。内側とかめっちゃボロボロっすわ」

寿命が短い要素の一つが、先述した車体の歪み。車体はアルミ合金製のフレームで、高速走行かつ長時間、常に圧力変動のストレスに晒され続けて走っているるので、『勤続』疲労とも言おうか、どうしてもフレームが傷みやすい。もちろん、突然の破断や乗り心地がおかしくなるような問題に至らないよう、余裕は持たせている。それでも疲労が蓄積し続けるアルミの素材特性からは、逃れることはできない。

消耗していく車体フレームだけでなく、各種機器の都合もある。半導体をはじめとする技術進歩の観点からすれば、あっという間に世代交代が進むことで、補修部品が手に入らない、使い続けるより区切りを決めて一新したほうが結局低コスト化に繋がる…といった要素が関係してくる。現に「部品改廃のため」といった通知文章が毎月のように掲出されるほど。

「改廃ですって」
「なるほど、ゴソウダンパーツ」

もうしばらくはN700系は活躍するだろうが、N700Sの新車導入ペースから考えると、気が付けば大きく数を減らしていることになる。早い世代交代のたびに「もう廃車?」と言われることになるだろう。