到着した純正ダンパーは、入念な清掃とチェックを行う。キレイに保管されていたとはいえ、車の足回りに使われていた部品だけに、細かい砂粒や油汚れに覆われている。ブラシで砂粒を払い落としたら、パーツクリーナーで油汚れを洗い落とし、シリコンスプレーを塗布したウェスで拭き上げると艶が戻ってくる。
受け取った時の動作チェックでは、ピストンロッドの伸縮には異常はなく、曲がり等のダメージは無さそう。ところが、アッパーマウントに繋がるピストンロッド先端のねじ部分について、4本全てのねじ山に少なからず潰れがあって、このままナットを締め込むとカジってしまう可能性があった。
潰れているねじ山は、ダイスで修正するしかない。ホームセンターに買いに行こうかと思ったが、サイズと精度を求めると安くはなく、頻繁に使うものではないとなれば、どうしても買いにくい。そこで、工具管理主任に「ちょいとダイス借りていくわ」と断りを入れて、ダイスとハンドルのセットをお借りする。
昼過ぎの暖かい時間帯になると、ミツバチが飛び交う自然豊かな環境柄ゆえ、万一の事態を考えて朝7時前からダイス作業に没頭。教科書通りに、270°回したら180°の逆回転を繰り返して、ねじ山を修正する。仕上げはダイスを裏返して、もう一度同じ作業を行い、ねじ山を整えていく。

全ピストンロッドのねじ山が無事に修正され、ナットをスムーズに締められることを確認。代えが一切効かないパーツの修正作業だけに、仕事と全く同じ意識になって没頭していた。刃物でねじ山を修正したため、表面のメッキが剥がれてしまい、錆びやすくなってしまう。防錆油代わりにKURE 5-56を薄く塗っておく。
バラしたまま保管すると、余計にスペースを要してしまうことが分かり、早めにASSY化したほうがよさそう。アッパーマウントに使われるゴム類は、エナペタル用のストックを含めて3セットくらいは購入することになりそうか。