デュアルラジエーター

今日から今年度の車いじりがスタート。午前中はレイ改めびんとろ氏のGRフィットのスタッドレスタイヤ交換、次いでEK9シビックのタイヤローテーションといった作業。午後からはGRフィットの外装カスタムの支援。

外装カスタム作業においてはフロントバンパーを取り外す場面があり、さっそく現行フィットの構造調査も兼ねておく。

GRフィットのフロントノーズ部分

フロントバンパーを引っ掛けるスティフナーやバンパービームの構造は相変わらずホンダらしい組み方になっていて、すぐに把握できるほど馴染み深いものとなっていた。

ノーズ部分に広がるラジエターは、e:HEVでエンジンの動作場面が減る中においても、EK9用に比べてもかなり大きなサイズを使っているのか…と覗き込んでみると、少々事情が異なることに気づく。写真において、ちょうどコンデンサのレシーバタンク(写真中央の円柱部品)の位置でラジエターの側面部分に達しており、実はフルサイズではなく3/4サイズしかない。

ヘッドライトレンズの左側、格子の裏側にあるフィンは、エンジン用のラジエターではない。PCU(モーター駆動用の電圧と電流を制御するパワーコントロールユニット)のラジエターだった。現行フィットはエンジン用のラジエターとPCU用のラジエターという、デュアルラジエター構造となっていることが分かった。当然ラジエターキャップが二つ装着されており、動作圧まで異なる。

PCU用ラジエター

PCU用ラジエターを見る。横幅は20cmに満たないくらいか。縦はアッパーフレームからロアフレームまでの長さがある。モーターの動作に応じて電圧や周波数を変える以上はPCUの発熱が避けられず、内部温度を厳密にコントロールするために水冷式を採用。しかも厳しいコスト制約下で、エンジンの熱の制御を受けないように冷却系統を完全に分けるという、非常に凝ったシステムが成り立っていた。

2モーター用クーラー

左フロントタイヤの先には、オイルクーラーを思わせる小さなコアがある。こちらは2モーター及びミッションオイルのクーラーらしく、大トルクで発熱しやすいモーターを過熱させないための冷却構造と思われる。調査時間不足で、この部分の仕組みは完全には追跡できず。

モーターとエンジンという、性質の異なった発熱源があることから、冷却システムも複雑化しやすいことが分かった。現行フィット…というより、旧来の純粋なエンジン車に乗っている人間からすれば、ハイブリッド車は構造一つひとつが非常に興味深い。機械いじり趣味ゆえ、エンジン、モーター、半導体、金属素材、加工技術全てが当てはまってくる。時間があれば、より細かい調査をしていたに違いない。

肝心のフィットの作業は遅延なく終わる。気温の変化が厳しい中での、2021年一発目の作業となった。大変おつかれさまでした。>びんとろ氏、S15オーナー