午前。錆びた鋼板をカップグラインダーや金属ブラシでガリガリと研磨し、表面を整えていく。鉄粉(錆の粉)の舞い方は強烈なので、さすがに防塵用マスクを完全に装着しないと、肺への深刻なダメージが懸念されるところだ。固着した錆を落とそうと、カップグラインダーを強く当てると金属の毛が飛び散り、服を貫通して肌に突き刺さる。痛い。
研磨に要した時間は合計2時間半。真っ白だった防塵マスクは灰色になっていて、舞い上がった鉄粉の量を意識させられる。ちょうど鉄分不足で顔色が悪くなることがあり、補給にはちょうどいい…とはあくまで冗談のネタ。
午後。整った鋼板に、下塗りを兼ねた防錆剤を塗布していく。ハケ塗りなのでどうしても厚塗りになってしまうが、仕上げとしての上塗りを計画しており、普段は隠れる部分の防錆なので、見た目は妥協する。油性ベースの防錆剤だけに溶剤のニオイがキツい。午前中に変色した防塵マスクは捨てており、塗布作業で二枚目を使っている。試しに防塵マスクを外してみると、より強烈な溶剤臭のパンチを食らう。「中和してみるかー?」と屁をしてみたが、当たり前だが全く意味が無かった。
防錆剤の缶を見てみると「冬季は乾燥に2日間要する」と表記してあることに気づき、塗布が終わった時点で一旦終わり。乾くまで次の作業に着手できない。細かいところの仕上げや追加塗布を要する部分が見つかれば週明け以降として、上塗りについてはさらに先。
これ、シビックRでの作業ではなく今日の業務で、運搬車の錆補修だ。ある意味では趣味、慣れた作業ゆえに、一日を通して完全に没頭していた。プライベートと違って電力を自由に使えるから、錆の落とし具合はシビックR以上に良い具合だ。
今日に限らず、趣味でやっている作業が、業務でも当てはまることは珍しいことではない。その逆、業務でやっている作業が趣味に当てはまることもある。
一般的に、趣味を仕事にすることは難しい、混同は避けるべきとされるが、全く当てはまらない点から、恐らくは少数派、良いことなのかもしれない。趣味を仕事に…、好きなことを仕事に…、といった記事は探せば探すだけ出てくるが、最終的には転職サイトへやフリーランス登録への誘導が多いので、参考になるようなものはなかった。