殺虫

職場の便所でクロゴキブリを見つけ、どう殺そうかしばし迷う。パーツクリーナー(ブレーキクリーナー)で窒息死させることは、ある意味では見慣れた光景なので、今回はピレスロイド系殺虫剤=キンチョールによる殺処分に決定。

さっそくキンチョールを吹き付けてみると、最初は噴射される液体に驚いて逃げ惑うだけ。引き続きスプレーし続けていたところ、成分がゴキブリの体内に浸透したのか、その場でクルクル回りだしてひっくり返り、しばらく6本の脚をジタバタさせて最終的には動かなくなった。

これがパーツクリーナー(ブレーキクリーナー)の場合、油と体毛で防水された気門と呼ばれる呼吸用の穴を脱脂することになり、穴が塞がって呼吸ができなくなって窒息死する。ついでに急冷効果もあるようで、暴れることなくその場で動けなくなり、脚や体の節々にある関節が急激に内側に曲がって、そのまま死ぬ。見慣れていたこの流れではなく、クルクル回ってひっくり返り、ジタバタと抵抗しながら死ぬ様子は、これがピレスロイドによる殺虫効果なのかと驚くと同時に、どういう作用をしているのか、興味が出てくる部分だったりする。

ピレスロイドは神経に到達して、正常な伝達システムを阻害。すると興奮状態が止まらなくなり、その場でクルクル回りだしてひっくり返っている状態だろう。続いて痙攣が引き起こされ、脚をジタバタさせている光景に。そして人の目には死んだように見えるのは麻痺状態で、本当の死はすぐあと。このような順序があるようだ。神経細胞やナトリウムチャネルなんて、遠い昔に勉強した記憶があり、すっかり忘れていた。

よくよく思い出してみれば、ハエに対するキンチョールでの迎撃作戦を展開していたときと同じ。小指の爪ほどある大きなハエが事務所内を飛び回っていて「このベルゼブブが!」とキンチョールをスプレー。攻撃が少しずつ効き始め、逃げ回っていたハエは墜落。その場で羽を必死に動かしながらクルクル回って、すぐに動かなくなった。

キンチョールによる攻撃では、興奮、痙攣、麻痺と死ぬまでのプロセスが妙に長い。よって、即効性という点ではパーツクリーナー(ブレーキクリーナー)が勝る。ただし、本来は機械の整備中に脱脂するために使うものなので、室内では塗装やワックスを落としてしまうデメリットがあり、微妙に使いにくい。やはり殺虫は、専用の殺虫剤を使うのが正しいようだ。