「いつもこの時間に帰りなんですか?」
と、ディーラーを後にする間際、メカニック氏から聞かれた。ディーラーで部品を購入し、仕事帰りに受け取るとなれば、いつも似たような時間帯を指定しているためだった。公共交通機関の仕事とはちょっとフクザツなため、どういう勤務パターンか告げると「羨ましいです」と意外な言葉が返ってきた。
曰く、今は極度の人材不足で、24時を回るのがザラだとか。19時に閉店しても、整備士が足りないため、そこからピットでの応援整備作業がスタートし、日付が変わったあたりでやっと帰れる。酷いときには2時とか3時とも。
そんな状況を聞かされ、答えが見つからず「精神壊しますよそれ」と返すのが精一杯だった。ショックだった。嘘でしょと言いたかった。Twitterで見かけるディーラーメカニックの苦痛なつぶやきは、多少盛った内容だと捉えていたら、まさか現実として聞かされるとは思っていなかったからだ。「もう壊れてますよー」と笑っていたが、それも空元気とのこと。去年末にベテランが一人去って、また一人辞めて、残ったメンツで続けてはいるが、この先どうですかね?と、青白く疲れた表情を浮かべていた。
ここが問題というか、やはりな…と思うところで、メンツ不足でも残った人員で仕事をなんとかこなさないと!と変な正義感、義務感を抱いてしまい、結局は仕事が回ってしまう。すると上層部には「その人数でも仕事ができる」と認識され、人件費、コストを増やさずに売り上げが伸ばせると勘違いさせてしまう。そうなると人が足りないと声を出しても、それならなぜ、今までは仕事が回っていたのか?ということになって、解決には至らない。
私自身、人手不足で何度も苦渋を味わってきた。そしてたどり着いた答えが「仕事は頑張り過ぎない」という、単純でいて難しい対策だった。人手不足によるダメージから身を守るには自分の力しかなく、そのためならば手段は問わず。この短時間の会話では、私なりの頑張り過ぎない方法の種明かしはできなかったが、部品購入のときは顔を合わせることになるので、そのあたりの気遣いも忘れないようにしたい。