氷川丸へ

去年の2月に埼玉にある氷川神社へ出かけており、もう少しで一年が経過することから、今度は横浜の氷川丸に出かけることにした。

氷川丸

船籍を抜くと、二度と航行できないようにスクリュープロペラと舵を外さなければならないという。氷川丸では舵が残っているように見えるが、実際は水面下で切断されており、その時の検査官とのやり取りが小さいながら展示されている。スクリューについては、どうやら有価金属として売却処分されたという噂が…。

八雲神紋

氷川丸の名は、大宮氷川神社に由来する。船内装飾にも氷川神社の神紋である『八雲』が用いられ、中央階段にも取り入れられている。氷川神社を訪れ、これを拝まないわけにはいかない。何も知らないと見落としてしまうポイントだ。

船長室の破魔矢と御神酒

ブリッジ近くの船長室内をよく見ると、氷川神社の破魔矢、御神酒、御札、絵馬が飾られていた。今なお、氷川神社を祀っている証拠だ。老人見学者が「こんな個室で船長は遊んでいることが多いんだから、気楽なもんだ」なんて口にしていたが、冒涜そのもの。クソ老害が、さっさと逝ね!

ブリッジの神棚

そしてブリッジの神棚だ。周辺と比べても明らかに真新しく、更新されていることが分かる。氷川神社を訪れていたこともあり、手を合わせておく。これがどういうものか知っていたのか、お賽銭を置いていく見学者もいた。

氷川丸の機関室

趣味全開となる氷川丸の機関室。B16B DOHC VTEC…ではなく、Burmeister&Wain社のOHV直列8気筒ディーゼルエンジンが2機、ボアストロークは680×1,600mm、 一機あたり5,500hp/110rpmで計11,000hpとのこと。ボアストロークと気筒数の計算から4,646,195.2ccという総排気量が出せるが、ダブルアクティング式(燃焼室がピストンの上下にある)なので、排気量はもう少し大きくなるはず。それにしても、下部燃焼室の密閉はどうやっていたのだろう。見れば見るほど、謎が深まるエンジンだ。

過去の経営会社だった氷川丸マリンタワー株式会社時代、この機関室内には振動発生装置のようなものがあり、エンジンの振動を再現していた記憶がある。ついでにテレビモニターがあって、航行中に嵐に巻き込まれて、エンジンを逆回転して嵐を退避するショートアニメが流されていた。固定ピッチプロペラだけに、逆推進はエンジンの回転そのものを反転させる仕組み。燃焼行程中?なにそれ?今はFULL ASTERNだ!!と言わんばかりに。

氷川丸から下船

下船。フェリーあざれあ/しらかば姉妹、さんふらわあさっぽろと違い、一回りスマートな船体となるためか小さく感じられた。

休日の昼下がりだけあって多くの見学者が訪れており、アールデコ調の内装や構造物を丹念に眺めていると、見所となるポイントを自ら見つけられない他の人が寄ってきてしまい、じっくり見れなくなることが少なくなかった。氷川丸に限らず、見学系の施設は平日休みに訪れるのが一番と実感することになった。とはいえ、氷川神社と氷川丸の両方をコンプリートできたことは満足できた点で、氷川丸が建造100周年を迎えられるよう、引き続き応援していきたいところだ。