仕事中「体調崩したから云々」というメッセージを送ってきた母親。夏前に大病を患い、入退院を繰り返しており、そういう出来事も加齢や家系的なものがあったりするわけで。「ちょっと話がある」と切り出され、それから言われることは平静を保ちつつも、内容はヘビーなものが多かった。医学書を普段の読書ネタにしている私…というか、母親がもともと『保健室のセンセー』だったこともあって、内容が濃くなりやすい。さて、今回もまた覚悟せねばなるまいか?と用心しつつ、どういう体調不良か聞いてみると、「鯖にあたった」というオチだ。ネガティブな方向を予想していただけに、この鯖の大当たりという報告には、本当に気が抜けた。さすがにこちらも平静どころではなく「もったいぶった言い方するんじゃねぇ!!ふざけてんのか!心配させやがって!」と。
鯖といえばアニサキスという寄生虫を連想させるほどだが、症状を聞いてみると明らかに異なる。
鯖を食べたのが昨日の夕食で、若干生焼けだったことには気づいたそうだが、今まで魚介類であたったことがないから、大丈夫と判断したら見事にヒットしたらしい。夕食後、だいたい4時間を経過したあたりから妙な腹痛を感じ、5時間後の23時に吐き下したそう。ここが判断のポイントで、アニサキスに寄生されると、8時間前後で強烈な腹痛、嘔吐を生じる。そしてアニサキスが胃や腸の壁を食い破ろうとすることから、激痛が継続することになる。鯖の食後から4時間程度で最初の症状が発覚し、アニサキスの標準時間より4時間も早い。そして24時間経過したところで、残っている症状は倦怠感や微熱だったことから、どちらかというと細菌による食中毒の疑いが強くなる。
細菌による食中毒となれば、原因菌を出し切ってしまうのを待つしかない。下痢止めや吐き止めは、それだけ長く体内に細菌を留めることになるので、使用しない。胃にモノが入ってくるだけで驚くので、最低48時間は絶食。そして水分補給だけはしっかり行い、体内の電解質バランスを崩さないためにポカリスエット、OS-1あたりが適する…と、診てみたが、どうだろう。当の母親も「そう考えるのが自然」と納得したようなので、とりあえずの間違いはないようだ。
もともと魚介類が嫌いな私には、あたるなんて別世界のことだと思っていたが、こうも身内がヒットすると、これがあたりか!と納得できる実例となった。この経験は忘れないようにしたいところ。