一日中風の強い日だった。建物に対して真正面から風がぶつかるので、老朽化している現場の屋根はギシギシと変な音を立てていた。夜になっても風はいくらか残っていて、どこからともなく聞こえてくるのはターボファンエンジンが出力を上げた時に鳴り響く音。別に珍しい音ではないのだが、この時間帯に上空から聞こえてくるとなれば、真っ先に考えられるのはゴーアラウンド、着陸復行だ。flightradar24.comを開いて、先ほどのターボファンエンジンの正体を調べてみると、日本航空JL028便だった。香港国際空港発、羽田空港着の便。B滑走路に降り立とうとしてゴーアラウンド。まるで東京湾遊覧飛行の如く、房総半島をぐるりと回って我孫子市まで北上、旋回して再度羽田空港に向かう。

ゴーアラウンドを行った結果、こんな航路に。30分近く遅延してしまったが、安全確保のためなら仕方ない。JL028便を追いかけている最中、千葉上空でホールド(空中待機)している機体を発見した。

キャセイパシフィック航空CPA542便、この便も香港国際空港発、羽田空港着の便だった。ゴーアラウンドによりJL028便を迅速に羽田空港に着陸させなければならないのか、一旦CPA542便をホールドさせる。その間にJL028便を追い越させ、ホールド解除後はJL028便の航路をトレースするようにして北上。我孫子市上空から羽田空港へ降り立つ。おかげでCPA542便も遅れてしまったが、どうも香港国際空港を出発する時点で遅れていたらしい。予定よりも遅い位置を飛んでいたせいで、ホールドを食らったとも考えられる。
遅延に遅延が重なってしまうと、余計に遅れるというのは、どの輸送業界も一緒のようだ。やはりダイヤどおりが一番いい。見たいと思ってもなかなか見れない、航空機の遅延処理。上空を常に動き回るという点では、鉄道の遅延処理よりも難易度が高い気がする。