クロノグラフの分解に向けて

現状の時計いじりのスキルは、テンプの脱着が思い通りにできるようになり、なんとなくコツが分かってきた段階。これでは、クロノグラフ時計のオーバーホールは無謀かつ段違いの難易度だ。絶対に壊すと分かっているので、オーバーホールは迷うことなくメーカーへ依頼した。

とはいえ、使用部品やどのような構成をしているのかといった知識は、覚えておいて損は無い。さっそくテクニカルガイド、車でいうところのサービスマニュアルを入手して、部品構成図から分解と組み立ての方法を調べていく。

Cal.1863のドライビングホイール

クロノグラフの動力分配として、秒針用の四番車の裏面にはドライビングホイールが圧入されている。分解するとなれば、これを引き抜き、また圧入しなければならず、しかもシャフトが細くて長いとなれば鬼門そのもの。スポークや外周の歯の部分には触れず、中心のハトメ部分だけに力を入れて、抜き取らなければならない。テンプのゼンマイ並みに厄介で、二番車とツツカナの圧入どころの話ではない。

そしてブレーキやバックラッシュの調整方法等、知らなければ触れない部分があまりにも多い。香箱から1秒を制御する時計部分そのものは、見慣れた手巻きの機械式時計。だが、四番車から先のクロノグラフ機構はなにがなんだか。帰ってきたスピードマスターをバラすわけにはいかないので、Amazonで探してみると出るわ出るわ、怪しくて安価な機械式クロノグラフ時計が。破壊しても惜しくは無いので、勉強するにはちょうどいい。

「教えられていないから知らない」「習っていないから分からない」が許されるのは、義務教育期間まで。少しでも興味を持ったことには自ら突っ込んでいかないと、レベルを上げる貴重な機会を失ってしまう。社会に出てしまえば「勉強」という行為から離れてしまい、自身のレベルアップネタはどんどん少なくなっていくのだから。