冷蔵庫や各種空調装置の背面を見ると、黒いタンクのようなものが見えるときがある。動作中、もしくは電源コードを抜いた直後等は熱くなっているので、不用意に触れるとあちっとなって驚くアレだ。あのタンク状の機械の正体は、オゾン層破壊や温室効果ガスでお馴染み、フロン(総称)ガスを圧縮する圧縮機だ。フロンガスを高温高圧化し、次の要素であるコンデンサ(凝縮器)へ送り出している。
あの黒いタンクの内部を見てみたいという覗きな下心…もとい、機械の内部構造や仕組みを知っておくことは、機械いじりを趣味とする人間としては当然のこと。かつて会社で、廃棄された圧縮機を解体、内部を腑分けしたことがあるが、外観の黒い部分は分厚い鋼鉄製だ。これを輪切りにするのは相当面倒で、ディスクグラインダーの替え刃を何枚使ったことか。切断面はざくざくで見た目が悪かったが、内部を知るには好都合な素材として生まれ変わった。
この手の機械は、学習用の素材として美しく切断され、しかも内部部品の色分けがなされたものが用意、販売されていることがある。実機を目にすると、こういう感じで作りたいなと強く思うところで、今後のために記録撮影は欠かせないものとなる。

圧縮機の内部で2/3程度、大部分を占めているのはモーターだ。振動吸収用のバネに載せられた誘導電動機で、コイル、回転子が備わる。コアとなる圧縮メカは上部に少々。各種チューブ、脈動防止用のダンパー、吸気弁や排出弁など。

実際に冷媒を圧縮する部分がここ。レシプロ式なので、早い話がエンジンと似たような感じ。頭上の弁から冷媒を吸い込み、ピストンが上昇し、圧縮したら排出する。小さいながらもコンロッドが備わり、回転運動から上下運動に変換するクランクもある。ピストンの直径は3cmほど、ストローク量もやはり3cmくらいしかない。このボアストロークでも冷媒を圧縮するには間に合うようで、冷蔵庫本体もかなりの大型サイズだった。
卓上の機械でこんな具合で、しかも動かすことができるので嘗め回すように見ていた。博物館や展示施設において、機械内部が見えるようになっていると、完全に足が止まることから、どんな規模でも一日コースが確定となる。