砕いて飲む?

「水で飲むタイプの薬、苦手なんだよ」と嘆きつつ、「だから噛んで砕いて飲んでる。どうせ胃に入れば消化されて砕けるわけだし」と。意外と恐ろしいことを平気でやる。

薬、特に錠剤タイプのものは、胃や腸の中で消化されつつ、少しずつ吸収されることで効果を発揮するが、砕いて飲んでしまうと胃液に直接晒されてしまい、効果が半減する可能性がある。また、本来ならゆっくり溶けることが前提になっている薬の場合、砕けていると高濃度の成分を一気に摂取したことになり、想定以上の効果や副作用が出たり、いわゆるオーバードーズと同等の状態に陥ることもある。

デパス、アモバン、マイスリー
▲錠剤の例。去年、向精神薬に指定されたデパス(緑色)と、唾液が苦くなることで有名なアモバン(青色)。一発で効果が分かりそうなマイスリー(桃色)。全てベンゾジアゼピン系の睡眠薬で、依存性あり。

同時に『コップ一杯の水で飲む』という点についても。その理由は、薬を確実に胃まで流し込む必要があるため。薬が喉や食道で引っかかってしまうと、高濃度の薬品に粘膜が触れてしまい、食道炎や潰瘍を引き起こす可能性がある。特にカプセルタイプの薬は、濡れると溶けやすくなり、くっつきやすいので注意が必要。

薬は製造の段階で、体内での消化と吸収のプロセスまで考慮された設計になっているし、どういうものであれ身体にとっては毒物だ。余計な事故を防ぐためにも、指定以外の服用方法をしないほうがいい。どうしても飲めないのなら、事前に医者や薬剤師に伝え、飲みやすい薬に変えてもらうべし。