歴史的瞬間を見る

平日休みの日。東京株式市場では株価が大暴落し、その規模は1987年のブラックマンデーを超えたそうな。そんな歴史的瞬間をエアコンを利かせた部屋で、そーなのかーと眺めることになった。

2024年1月から新NISA制度がスタートし、投資に対しての視線が日を追う毎に熱くなっていった。ちょうど株価は上昇傾向が続いていたことも背景にあり、いつの間にか投資は儲かるもの、銀行の預金口座と違ってどんどん増えていくものという認識になっていたように思える。夕方過ぎのニュースでさえNISA特集が組まれるようになると、これって靴磨きの少年じゃねぇの?と嫌な予感を抱くもの。

2010年代後半では、暗号資産投資としてビットコインが取り上げられ、それこそ芸能人を使ったCMが頻繁に打たれていた。このときも、利益が出たトレーダーを持ち上げることで、数多くの人間は暗号資産による運用で利益が出せる…と変な期待感が増していた。その後の動きといえば、改めて書く必要もないオチだ。

この急変で面白い事例として、証券会社のコールセンターに問い合わせの電話が殺到していたこと。株価急落で損失が膨らんだのか、「運用内容を変えるべきか」「相場の回復はいつになるのか」と相談が来ていたそうで、最も投資に向いていない人の行動パターンそのもの。上がり調子が続くとは誰も保証しておらず、少し勉強すれば下がるときもあることはすぐに分かる。口座開設時の規約にも元本が割れることがあると書いてあり、それに同意しているのだから、ニワカな投資家からの電話殺到にはコールセンター側もさぞお困りだろう。

変な欲を抱いてしまうと、まだ上がる、利益確定には早い…となってしまい、含み益で満足してしまう。確定してこそナンボなので、自分なりのボーダーラインを設定して、さっさと確定。暫く市場から離れて頭を冷やし、改めてセッティングを整えていくことを繰り返していく。そのときの「靴磨きの少年」は必ずいるのだから。

義務教育期間での歴史科。その中で習う、1929年に発生したウォール街大暴落から始まる世界恐慌への波及。非常に興味深い内容だったことを今でも覚えており、背景や人々の動きはけっこう調べたもの。株価が値下がる前に売ってしまおうという心理と不安が積み重なり、大暴落に繋がっていくとは、今も昔も全く変わらない。