法定12ヶ月点検を含めれば一年毎の集中整備だが、この時期だけでなく、不具合を見つければその都度対処し続けてきた。その甲斐があって、どこかを直せば、別のところで具合が悪くなるという、モグラ叩き状態から脱する目処が、ようやく立ちつつある。

というのも、今回の車検整備は不具合による修理依頼は一件もなく、私的に定期交換を設定した部品の交換と、やり残している下回りの防錆アンダーコートの仕上げとなっているため。

車は極端に言えば消耗品の塊で、人間と違って時間が経過しても自然治癒はせず、何も手を施さなければ朽ちていく一方だ。消耗していくスピードをより抑えるための防錆対策も、今回で一応の区切りを迎えることになった。

スズキ HA25S アルト

今回の代車は鈴木アルト。以前借りたものlinkとは違って、だいぶしっかりしていた。4ATになったことで、低速域から高速域まで滑らかに走れる。…が、フニャフニャした足回りと、軽すぎるハンドリング、決まらないシートポジションで、「走れればOK」という割り切った性格は相変わらず。

私的に定期交換を設定している部品

1.)ブレーキホース

ブレーキホースの交換時期は明確に定められてはおらず、サービスマニュアル上でも「損傷、液漏れがある場合に交換する」となっている。基本的に毎日走行している点、保管駐車場の出入りで必ずステアリングはロック・トゥ・ロックを強いられ、その度にブレーキホースが大きく伸縮する点、また、サーキットや酷道を走り回るので、ホースにとっても過酷な状況が続く点を考慮し、ストレスを溜め込まず万全な状態を維持できるように、2車検(4年)に一度の交換を設定した。

先述したように、大きなサスストロークやステアリング操作によって、ブレーキホースが派手に動くような状況下での運転なので、純正品に比べて柔軟性に欠けるステンメッシュブレーキホースは、使うことができない。また、ステンメッシュブレーキホースを使ったところで、ブレーキフィーリングが良くなってもブレーキ力そのものが向上するわけではなく、耐久性向上という謳い文句が軽量なバイク系に目立つことからも、重量のある自動車ではメンテナンスから開放されるわけではないと考える。

2.)デスビキャップとローター

ディストリビューター内の、イグニッションコイルから発生した2次電流を各プラグ(気筒)へ分配する部分。カムシャフトと同調して回転し、スパークによる分配なので、ローターの電極、デスビキャップの電極それぞれが、次第に摩耗していく。点検や交換タイミングについては、サービスマニュアルにおいては特に記述はなかった。デスビキャップとローターは、摩耗したものと新品を比較すると、エンジンのフィーリングやトルク感が体感できるほど違ってくる。良好な燃焼を維持するためには、高価なものではないし定期的な交換が近道だ。

下回りのアンダーコート

フロントホイールハウス部

製造から17年も経過すれば、本来は黒かったホイールハウス内のコーティングが、剥がれ落ちている。ブレーキホースにフレアレンチが掛けられ、ブレーキホースの交換をスタンバイしていた。

リアサスペンション周辺

こちら側はリア側。サスアームのブッシュを全交換linkして、一年が経過。アッパーアームの車体側ブッシュでは早くも錆が浮き始めており、侵食の早さに唖然とした。美しく輝いていたトレーリングアームも、わずか一年でつや消しのアームに。

高圧洗浄中

高圧洗浄機で、ホイールハウス内を徹底的に清掃する。リアバンパーまで外れているのは、EK系シビックはその構造上、リアバンパー内に水分や路面の砂や石、ゴミを巻き込みやすく、応じてリアパネル部分へのダメージが大きくなりがち。そこでリアバンパーまで外して、パネル部までアンダーコートを塗布することにした。

フロントホイールハウス部の施工

インナーフェンダーを外し、サスペンション関連部品にマスキングを行ってからアンダーコートを塗布していく。青くなっているのは乾燥していないためで、乾いていくと黒に変化していく。

リアセクション部の施工

リア側も同じように施工。リアバンパーを外して、パネル部分まで塗られているのが分かる。パネル部分は走行すれば必ずダメージを受ける場所だっただけに、何度も防錆剤を塗布しながらも、常に新たな錆が発生していた。これでしばらくは、錆に悩まされずに済みそうか。

フロントホイールハウス部の完成

青かったアンダーコートが乾いて黒になり、ブレーキホースが新品になって、ボロボロだった見た目がだいぶ良くなった。フロントブレーキホースは日立電線(現、日立金属)製なのだが、2013年12週製造という長期在庫品だった。

リアセクション部の完成

次はリア側。施工前の写真とは逆になるが、コンディションは左右で一緒。こちらも黒いホイールハウスと新品ブレーキホースで、リフレッシュ完了。錆が浮いていたアッパーアームのブッシュもアンダーコートで覆われ、錆の進行を抑えられる。

フロア作業前

施工前。2013年8月に慌てて行った、防錆塗装時linkのワンシーン。フロアパネルは灰色。傷みは少ないものの、パネルの合わせ面で錆があったことから、見た目以上に大きなダメージを抱えていた。

フロア作業後

そして施工後。明らかに厚い塗膜で覆われて、黒いパネルに変わった。EK系シビックは、対策しなければ必ず錆びる部分が存在するので、アンダーコートを塗布しても安心はせず、引き続き経過観察を行いたい。

車検整備作業において

設定では、今回はデスビキャップとローターの定期交換年度になっている。プラグコードを抜き、デスビキャップを外してみたところ、一本のネジがポロリと転げ落ちて、茶色の粉塵まみれになった内部部品、そして傷だらけのデスビキャップが…。

損傷を受けたデスビ

こんな具合…。そしてデスビキャップをよく見てみると…。

ボロボロの電極

全ての電極が曲がっており、かなりの衝突痕があった。デスビローターを固定しているネジが脱落してしまい、高速回転しているローターに踊らされ、キャップ内でネジが大暴れ。同時にデスビローター本体も、スラスト方向へ暴れていたようで、デスビキャップ側のモールドが削り落とされている。

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秋口くらいだと思うが、エンジンの回転に応じて「シャーシャー…」「ジャージャー…」「ガラガラガラ…」といった異音が聞こえるようになった。走行中にエンジンを空ぶかしすると、より大きな音が鳴る。なぜか停車状態での空ぶかしでは、異音が出ない。その音は、壊れかけたベアリングを回転させたときに発する、かすれた金属音のような感じだ。走行中限定だったおかげで、ちょうどミッションのオーバーホールから一年だったlinkこともあって、作業に何か不手際か?それとも、本格的にエンジン本体がダメになったのか?と様々な心配をしたものだが、異音の原因はデスビの損傷だった。その証拠に、車検上がり後の帰宅中に8,400rpmまで回しても、異音は一切なくなっていた。

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曲がったデスビローターの電極その1

デスビローターの電極は、FRPで金属板をサンドイッチした構造になっている。金属板が曲がって、FRPのガラス繊維がケバ立ち、そして変な方向にスパークしていたのか、焦げている。高速回転している傍らで、ネジや後述するリークカバーの破片が暴れて、そしてこのローター自身もスラスト方向に動き回ったことから、円周部が派手に削れている。

曲がったデスビローターの電極その2

角度を変えて。めくれるようにして、電極が曲がっているのが分かる。こんな状態でもエンジンはしっかり回っており、何度もレッドゾーンまで回していた。

デスビローターの背面

デスビの軸はDカットされているので、ネジが脱落してもローターが空回りすることはなかった。軸穴の下部にネジ用の穴が開けられていて、ここから固定用のネジにアクセスする。以前、デスビキャップとローターを交換した際、固定用ネジにネジ止め剤を塗布していなかったのかもしれないが、それが今になって脱落するというのも変な話。

穴が開いたリークカバー

脱落したネジは、まずこのリークカバーを破壊した。大きな穴とひび割れがある。壊れたリークカバーの破片がデスビローターの回転で飛び回り、連鎖的に破壊を引き起こし、先述した損傷状態に達したという結論に。

電極の具合

デスビキャップとローターは、車載状態であれば写真のような状態だったことになる。ローター側の電極とキャップ側の電極がこれだけ離れていても、スパークプラグへの放電は行われていた。一気筒死んだようなフィーリングは一切なく、加速状態も普段と変わらず。

デスビの組み立て

茶色の粉塵を清掃し、新品のリークカバーを装着。そして白い電極の新品デスビローターとデスビキャップをセットする。デスビ内部の損傷といえば、コイルがダメになるものとばかり思っていたが、デスビローターのネジが脱落することは想定外。当面は、デスビキャップとローターの自前点検を行うことになった。

 01464-S03-Z00  ホースセット,R.フロントブレーキ  4,070円  1個
 01465-S03-Z00  ホースセット,L.フロントブレーキ  4,070円  1個
 01466-S03-Z00  ホースセット,R.リヤーブレーキ  2,850円  1個
 01468-S03-Z00  ホースセット,L.リヤーブレーキ  2,850円  1個
 30102-P72-006  キャップASSY.  2,120円  1個
 30103-P73-003  ヘッドASSY.,ローター  2,400円  1個
 30107-P73-004  カバー,リーク  520円  1個

車両そのものは、不合格の烙印を押される要素は全くなく、車検は無事に通過。アンダーコートについては、硬化するまでは二週間ほどの時間を要し、それまでは触らないほうがいいとのこと。完全に硬化してしまえば、今までのように高圧洗浄機で洗浄することが可能になるようだ。ということは、アンダーコートを塗布したからといって、錆や塩分に対して無敵になったわけではなく、基本防御力の底上げとなる。つまり、海岸線や塩カル地帯を走行した後には、入念な洗浄が必須ということ。引き続き、下回りのチェックは欠かすことなく行うことが、状態維持の基本的なルールとなる。

今回の車検で、一連の防錆対策は区切りとなり、以後は観察を継続することがメインになった。車体の大半をリフレッシュし、しばらくの間は修繕と多大な支出に頭を悩ますことなく、本格的な部品備蓄をスタートできそうだ。それでも車齢は17年を超えており、何が起こるか分からないというもの。今思えば、デスビのねじ脱落トラブルも、もっと入念に点検しておけば、早い段階で発見できた。少しでも違和感を覚えたら、気のせいだろうと割り切らず、もっと真剣に点検することを心がけたい。

走行距離:216,406km

デスビキャップ/ローター次回交換予定:2019年12月
2019年11月に交換済みlink

ブレーキホース次回交換予定:2019年12月
2018年12月に予定前倒しで交換済みlink

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