エアコンを使用中、コンプレッサーが動作してもアイドルアップせず、エンストしそうになるトラブルは、毎年夏恒例の出来事だった。原因は分かっていて、EACVの不調。

EACV(Electric Air Control Valve)とは、スロットルに装着されているアイドリング制御装置のことで、エアコンの使用や電気負荷が高まったときに、エンジンの回転数を少し上げる制御を行っている部品だ。

装着状態のEACV

そのEACVは、インマニサージタンクの背面に装着されている。

EACVの穴

EACVを外すと、穴が二つ見える。エアクリーナーからの空気は向かって左側の穴から入り、スロットルバルブ本体は経由せずに、右側の穴を通ってエンジンに導かれる。スロットルバルブが閉じたままでも、このEACVが第二のスロットルとして動作することで、エアコン(コンプレッサー)の動作や各種電気負荷が高まったときに、アイドリング回転数が変化するようになっている。

場所柄、ブローバイガスのゴミがたまりやすく、左側の穴に装着されている金網が次第に目詰まりを起こしてしまう。定期的な清掃linkを行っても不調は収まらなくなり、寿命と判断。新品へ交換することになった。

交換するには

EACVのカプラー

EACVを外すには、まずEACV本体に繋がっているカプラーを外す。

EACVの固定ボルト

続いて、EACVをインマニサージタンクへ装着する12mmのボルト2本を外す。ボルトのすぐ後ろにはブレーキ用の配管があり、ラチェットレンチでは傷つけたり、ヘッドとソケットのサイズから入らない可能性がある。めがねレンチやスパナを使ってボルトを緩め、手で抜き取るほうが安全。取り付け時は2本のボルトを交互に少しずつ締めていき、締め付けトルクは22N・m(2.2kgf・m)。

EACVの冷却水チューブ

EACVには、凍結防止用として冷却水のチューブが二本繋がっている。チューブクランプを移動させて、二本のチューブを外せばEACVを取り外すことができる。EACVを外すとチューブから冷却水が多少滴るが、ドバドバと流出するような量ではない。チューブを軽く引っ張って口を高い位置に保てば、漏れ出る量は抑えられる。

エンジンが熱いときに外す場合、当然流れ出る冷却水も熱いのでヤケドに注意。冷却回路に混ざってしまう空気は、リザーバータンクに十分な量の冷却水linkを満たしておけば、一晩のうちに自然と抜けていく。

同時作業

作業の実態として、今回のEACVの交換はショップに依頼していた。これは同時に水温センサー用のアタッチメントの装着、アッパーホースとロアホースの交換、冷却水の交換を依頼していたためだ。

将来的に社外水温計の取り付けを考えていて、問題はセンサーの取り付け方法。定番の、アッパーホースを切断してセンサーアタッチメントを取り付けるパターンはではなく、純正水温計も活かしておきたい。

AUTO AQU アウトレットアダプター

そこで、アッパーホースの接続部に、センサーを取り付けられるタイプのものを使用することにした。純正アウトレットアダプターにPT1/8のネジ穴を開けた、AUTO AQU アウトレットアダプター外部リンク:AUTO AQUを購入。

水温センサー

水温計は日本精機製(Defi)のメーターを使う予定。水温センサーだけ入手して、エンジンにつけておく。メーター本体はまだ入手していないので、当面の間はセンサーケーブルはぶら下げておくだけ。

経年対策として、アッパーホースとロアホースの交換も依頼。冷却水が通る大小様々なホースの中で、最も弱いのがアッパーホースとロアホースとのこと。今日に至るまで水漏れや破裂が無かったことから、強化品は不要と判断して純正品を引き続き使用する。

純正部品一覧

(ホンダ電子パーツカタログより抜粋、引用)

1.  19501-P30-000  ホース,ウォーターアッパー  2,610円  1個
2.  19502-P30-000  ホース,ウォーターロアー  3,450円  1個
3.  19511-PR3-003  クリップ,ウォーターホース
 (チュウオウハツジョウ)
 460円@230円  2個
4.  19511-P30-003  クリップ,ウォーターホース
 (チュウオウハツジョウ)
 450円@225円  2個
5.  36450-P6T-S01  バルブASSY.,エレクトロニックエアーコントロール
 (DENSO)
 15,400円  1個

作業終了後

アウトレットアダプターと水温センサー

エンジン本体に取り付けられた、アウトレットアダプターと水温センサー。アッパーホースを切っていないため、見た目は純正のままであり、非常にスッキリとした印象だ。

純正アウトレットアダプター

取り外された純正アウトレットアダプター。正式には「カバー,ウォーターアウトレット」という名称。よく見ると、ドリルで穴を開けやすくするためなのか、円錐状の窪みが予め形作られている。

ホース類

純正品のアッパーホースとロアホースを使っているため、特に変わった様子はない。使い古したものと新品を握り比べてみると、弾力が全く違っていたことが分かった。やはり経年劣化が進んでいたらしく、交換タイミングとしては最適だったようだ。二本のホースが新品で丈夫になったことにより、他の部分で圧力に負けて水漏れが発生するかもしれない。今後、他の細いホース類の一斉交換も視野に入れておくことになった。

アイドリング調整用スクリュー

EACVの交換に伴い、アイドリングの調整を行っている。調整方法については、スロットルバルブのレポートページlinkを参照のこと。

EACVを交換したことにより、エアコン使用時でも安定したアイドリングになった。ゼロ発進のときが一番酷く、エンストしかけてガクガクと壊れそうな音を発するほど。絶妙な半クラッチを維持して、ソロリソロリと加速することが無くなったことで、だいぶラクに運転できるようになった。不調なEACVに合わせてアイドリング調整を行っていたので、再セッティング。加速フィーリングが明らかに向上し、運転しやすくなった。

走行距離:178,866km

追記

この作業から5年9ヶ月、距離にして110,198km走行後(ODO:289,064km)に、交換後初のEACVの清掃を行った。金網の汚損状況については、Blogにて記事にしたlink

交換から9年3ヶ月、180,000km以上を使用し、故障や不調に備えた予防保全の一環として2022年の法定12ヶ月点検で交換したlink

Post