2022年7月2日にウインドウレギュレーターを交換しlink、ドアウインドウの開閉動作はスムーズになった。

スムーズな開閉動作に関わる部品はウインドウレギュレーターだけでなく、ガラスランチャンネルというパーツも関係してくる。ガラスランチャンネルとは上下に動くガラスを支え、外れたりガタつくことがないようガイドするパーツだ。そしてドアウインドウが閉じたときは、雨漏りを防ぐために確実にシールしなければならないため、ゴム製となっている。

常にガラスと接触し続けているので、経年による痩せや硬化、ガラス接触部分の摩耗は避けられない。このような劣化が起きるとドアウインドウの動作は遅くなり、ウインドウレギュレーターのギアやモーターへの負担となってしまう。

合計24年もドアウインドウの開閉を支えたガラスランチャンネルを交換し、より滑らかな開閉動作になるようリフレッシュする。同時に、ウインドウレギュレーターに対する負担を大幅に減らすことに繋がってくる。

下調べ

作業前には、必ずサービスマニュアルlinkを参照し、下調べと全体像を把握するようにしているが、ガラスランチャンネルの交換方法の記事は一切ない。

ドア展開図

サービスマニュアルに記載されているドア展開図を見る。各部分の交換や調整を解説したページへ目次も兼ねているが、ガラスランチャンネルに関しては記載がないことが分かる。確かに解説ページはなく、追補版にも解説は無かった。

過去に、ドア周りのゴムパーツ(ウェザーストリップ)の交換作業に立ち会っている。作業中はあらゆるゴムパーツが外されていた記憶があり、写真撮影も行っていた。ヒントになる写真はないか、見直してみるとこのとおり。

取り外されたガラスランチャンネル

黄色の丸で囲ったパーツがガラスランチャンネルで、だらりと垂れ下がっていることから、ドアパネルに対しはめ込まれているだけか。

ドアーガラス/ドアーレギュレーター系のパーツリスト

続いて、パーツリストをチェックする。ガラスランチャンネルは7番(右/運転席側)、13番(左/助手席側)となっている。関係する部品は5番、6番、11番、12番のサッシュとなるが、先の整備工場での作業立ち合いの記憶から、今回はノータッチ。改めて現車で事前調査をしてみると、引っ張ると取れそうな感じがある。よって今回は、ガラスランチャンネルのみ注文。

7.  72235-S03-003  ランチャンネル,R.フロントドアー  6,270円  1個
13.  72275-S03-003  ランチャンネル,L.フロントドアー  6,270円  1個

ガラスランチャンネルの梱包状態

ガラスランチャンネルは大きなビニール袋に収められており、リアシートの横幅程度の大きさがある。しかもゴムゆえに形状が全く安定しない。保管中に曲げやねじりで余計なストレスを与えないよう、平らな場所が要求される厄介さがあった。

作業上のアドバイス

ガラスランチャンネルは、ドアパネルやウェザーストリップと噛み合わせてからはめ込む構造になっており、正しく組み込まないと雨漏りやシール不良、ドアウインドウの開閉不良の原因になる。

例えば、右(運転席)側のガラスランチャンネルを外す際は、左(助手席)側は外さずに組み立て見本として常時チェックできるようにする。左右同時にバラさないほうがいい。

交換

ドア周りの内装部品、外装部品を取り外すことからスタート。

ドア車内側の分解

窓を全開にして、車内側では三角状のカバー…ドアミラーガーニッシュ、ドアトリム(内張り)を外す。また、赤い矢印部分の防水シートを一部捲って、サービスホールからドアパネル内部に手を突っ込めるようにしておく。右(運転席)側では、ドアヒンジ付近(写真左側矢印)のサービスホール部分にドアロックリレーがあり、こちらも外しておく。

ドア車外側の分解

車外側では、ドアサッシュガーニッシュ、ドアバイザー、ドアミラーを外す。

次にドアウインドウの取り外し作業となる。

窓ガラス装着用ボルト左

サービスホールから窓ガラス装着用のボルトが見えるように、ドアウインドウの上下位置を調整する。ガラスの落下を防ぐため、このボルトは緩めるだけにして外さないこと。

窓ガラス装着用ボルト右

ドア右側の大きなサービスホールから見えるボルトを緩める。このボルトも外さず、緩めるだけ。

サービスマニュアル上での図

ガイド(レール)を右側に動かすと、ウインドウレギュレーターからドアガラスが外れる。ガラスを落下させないよう、複数人で作業するか、サクションリフター(ガラス運搬用の巨大吸盤)、粘着力の強力なテープで支えながら外すこと。

以上、ここまでの工程が、ガラスランチャンネルを外す準備となる。

ガラスランチャンネルは引っ張るだけ

ガラスランチャンネルの外し方は、単純に引っ張るだけ。別の部品による固定はなく、ドアパネルにはめ込まれているだけ。

ドアパネルに対し、ガラスランチャンネルはどのようにはめ込まれているのか。組み方をよく見ないまま外してしまうと、取り付け方法が分からず、装着作業は困難になってしまう。特にドアパネル内部のサッシュ部分は見えにくいので、実際に取り外す前に、写真を撮っておくなりして入念に構造を確認すること。先述した『左右同時にバラさないほうがいい』というアドバイスはここにある。

ガラスランチャンネルの新旧比較

左側が車体から外したガラスランチャンネル、右側がこれから組み込む新品のガラスランチャンネル。

このように、取り外されたガラスランチャンネルは長年の曲げ癖がついているが、新品は開いている。車体に組み込むときは、U字型に形作りながらサッシュやドアパネルに組み込まなければならない。新旧を比較して、どこで谷折りにするのか必ず確認する。

ガラスランチャンネルの組み込み

ガラスランチャンネルの位置決めを兼ねるドアミラー側から組み込む。U字型に折り曲げたまま、ガイドレール状になっているサッシュに送り込んでいく。

サッシュ部分にセット

サッシュ部分まで送り込めたら、サービスホールから腕を突っ込んでガラスランチャンネルを少しずつ引っ張っていく。

パネルの角部分にセット

ドアミラー部分は袋状になっており、パネルの角に沿うように成形されている。ゴム部品なので歪みや曲がりが発生しやすいが、均一にセットしていく。

位置決め用のツノ

正しい位置にセットできていれば、位置決め用のツノがパネルの穴から出てくる。

組み込み作業中

ガラスランチャンネルの溝は鉤状になっており、対するドアパネル側はホルダー状。お互いが噛み合うようにしてセットすることになる。ある程度組み込めたら、ドア後端側の作業に移る。

組み込み作業中

ドア後端側では、パネルが溶接された部分を避けるようにして、ガラスランチャンネルに切り欠き部分が成形されている。切り欠き部分より先端側、ドアパネル内部のサッシュの組み込みは、サービスホールに腕を突っ込んだまま行う。切り欠き部分以降のドアサッシュガーニッシュ側は、先述した鉤状とホルダー状の組み合わせなので、セットしやすい。

組み込み作業中

アウターウェザーストリップの端部を少し捲り、ガラスランチャンネルを噛み合わせていく。この作業、自転車のタイヤパンク修理をやったことある人なら、何となく感覚がイメージできると思う。タイヤのビードに挟まったチューブをリムの中に収めていく、あの作業に似ている。

組み込み作業中

ドアバイザーのホルダー部分は、ガラスランチャンネルのゴムが出たままになりやすい。押し込んで歪みの無いように組み込む。

組み込み作業中

ドアのコーナー部分。全ての部分を正しく組み込めていれば、この部分は歪まずに整った状態に仕上がる。もしも余りが出た場合は、正しく組み込めていない。波打った状態ではドアウインドウの動作が遅くなる原因になるので、組み込み不良がないか再確認する。異常がなければ、ガラスランチャンネルの交換そのものは作業終了となる。

組み込み作業中

ドアウインドウを装着し、上下動作に異常が無いか、ドアウインドウとガラスランチャンネルが隙間なく密着しているかチェックする。

併せて、ドアミラーとドアサッシュガーニッシュを装着し、防水仕様にまで戻す。ガラスランチャンネルに水を掛けて、雨漏りチェックするのもあり。全てに異常が無ければ、外していた全ての部品を元通りに装着し、作業完了となる。

新旧のガラスランチャンネルを比較してみると、ドアウインドウとの接触部分が摩耗していることが分かった。新品はシボ加工のようにサラサラした感触だが、取り外した古いものは平らになっており、ゴム板を触っている感じだった。これではゴム特有の摩擦力の高さから、ドアウインドウのスライドも遅くなってしまう。

摩耗はあったが、切れやひび割れは一切なく、雨漏りも起きなかった。合計24年に渡ってドアウインドウを支え、シールするための圧迫ストレスに耐えていたのだから、耐久性は高いと判断できる。一度交換すれば、二度目のリフレッシュを考えなくていいのがラク。

ウインドウレギュレーターとガラスランチャンネルの両方をリフレッシュしたことで、ドアウインドウの開閉は極めてスムーズになった。左右で開閉スピードが大きく異なっている状態から脱し、古臭かった印象の低減にもなる。

走行距離:359,244km

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